内容説明
「ほら、あそこ」モート人が空の果ての一点の光を指さした。「迎えの宇宙船です。さあ、これからわたしたちの世界を案内しましょう」巡洋戦艦〈マッカーサー〉号を離れた着陸艇が、人類世界からの最初の使節団を乗せて、モート母星に降下していった。はたしてモート人の秘密とは? 彼らの真の狙いは?『宇宙の戦士』の著者ハインラインが「人類の、知的宇宙生物とのファースト・コンタクトを描いた小説としては最高のできばえであり、わたしが今までに読んだSFの中でもおそらく最良の作品だ」と絶賛した壮大な宇宙叙事詩、いよいよ佳境へ!/旧版解説=浅倉久志、新版解説=大野万紀
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
19
続編があるんですね。読んでもいいかな、と思うほどには面白かった。が、私には最後まで中高生向け作品という印象がぬぐえなかった。ファーストコンタクトについて、この本からはリアリティが全く感じられなかったからかもしれない。まぁ、SF作品史上の歴史的価値はあるのかな。2025/12/09
本の蟲
19
異星種族の描き方は「外見が違うだけでメンタルは人類」から「異質すぎてコミュニケーション不可」まで幅広いが、誤解・すれ違いこそファーストコンタクトSFの醍醐味。相手の事を丸ごと誤解したまま進む、一見スムーズな交流。性善説な科学者のモート人への過剰な肩入れ。モート人が住む環境と彼らが隠している身体特性、そこから導かれる目的。終盤での和やかな交渉の(実は人類滅亡のカウントダウンで誰もそれには気づいていない)緊張感たるや。単純な善悪ではなく、双方そうせざるを得なかった結論も含めて、さすが往年の傑作SFと大満足2025/11/05
へ~ジック
6
序盤の戦闘シーンは迫力があった。中盤は以降は会議がメイン。諸族宥和という甘い夢と、莫大な利益に目が眩んで最悪の選択へと傾いていく人類帝国と、最後のどんでん返しは見事。2025/12/09
果てなき冒険たまこ
6
上巻ではなんかだらだら進んでるストーリーだなぁと思っていたけど下巻に入っていきなり怒涛の展開。しかも戦闘シーンもあり政治的駆け引きありで最後まで引っ張られた。もう実現してしまったような宇宙での日常や歴史に説得力があってこれがSFだよなぁと首肯することがなんと多いことか。今じゃ流行らないのかもしれないけどこの手の大上段に振りかぶったSFは大好きよ。ニーブンはどちらかというと苦手なほうだけど共作だと全く違うのね、以前読んでるかもしれないけどまたいろいろと読みたくなってきた。2025/11/20
イツキ
6
宇宙船内でエイリアンの使役していたミニチュアが繁殖し凄まじい事態に発展したり、エイリアンの母星に士官候補生が不時着したりと怒涛の展開で始まる下巻。何とか生き抜いて上官に連絡を取ろうとする士官候補生達とモート人の真実で強烈なインパクトが与えられたところに中盤からは各陣営の思惑が絡んだモート人との関係性の模索が重厚に描かれ非常に読み応えがありました。なかなか予想外の結末を迎えましたがファーストコンタクトものの中でもかなりリアリティを感じる作品でした。2025/10/16
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