内容説明
夫にも誰にも内緒でひとりスリランカへ向かった私が、善き願いも悪しき願いも叶えてくれる神さまに祈るのは、ぜったい誰にも言えないあのこと――。神楽坂、ミャンマー、雑司ヶ谷、レパルスベイ、ガンジス川。どこへ行けば、願いは叶うのだろう。誰もが何かにすがりたい今の時代に、私のための神さまを求める8人を描く短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
539
楽しみにしていた角田さんの新刊。思いのほか読みやすくなかったのは、なじみのない地名が多かったからだろうか。神さまに会いたい、救われたい、という気持ちを抱えた主人公たちのものがたり。わたしももう少し若ければアジアの辺境におわします神さまにローカルバスに乗って会いに行く、なんていう冒険してみたかったかも、なんてことを思いながら。2025/11/22
starbro
222
角田 光代は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、世界巡礼連作短編集でした。オススメは、『神さまに会いにいく』&『絶望退治』です。 https://www.shinchosha.co.jp/book/434609/ 2025/10/17
hiace9000
150
かの『詩とメルヘン』を彷彿させる爽やかでファンタジックな表紙ーからの、深めの人間洞察。人の行う本源的な「祈る」行為の本質を観取し描く、圧巻の角田文学に酔い、黙考する。神とはー、そして祈るとはー。不可視で実体のないそれと、人間の実在との「接点」、その本来極めて主観的な感覚とも多様に過ぎる直観とも呼べるものを、こうも見事に言語として表出される新鮮さと驚き! 信仰論でも信心論でもない、どこにでもいそうな人々のなかの仄暗い願いや、すぐ隣にある絶望。祈りのカタルシスと爽快とも併せ描き、そして問う。あなたはどうなの?2026/01/22
Apple
106
自分の神さまに会いに行く旅をする、というのは日本人らしい感覚だなあと感じました。神さま探しも観光旅行の一環、といったような感覚がちょっと印象的でした。この作品で描かれているのは宗教とか信仰という話ではあまりなさそうで、自分自身の内面にある葛藤とかわだかまりをどうしたらいいんだろう、というようなことだと思いました。海外旅行に行って、日本の常識から大きく外れた体験をすることで、日常的な人生の悩みに区切りをつけられる、ということは多いように思います。2025/10/30
hirokun
102
★3 角田光代さんの作品という事で手に取ってみたが、文章は分かり易いにも拘らず、内容は深く読解力のない私には難しい。8篇の短編集で、神さまとの向き合い方を通して現代人が感じる不安定への苦悩、人の本音に存在する反倫理的な感情、人を超えた存在への願望・安堵を表現している。彼女の作品は、短編でも深い考察が必要であり正直なところ少し疲れる読書であった。2025/10/14




