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内容説明
中国と日本の歴史書ほか膨大な資料を援用し、琉球王国にまつわる伝承に絡めて壮大なスケールで書かれた『椿説弓張月』。第2巻は、伊豆大島を実質統治していた為朝が官軍に攻め込まれ、決死の戦で敗走。そして崇徳院の墓参りにと讃岐国へ赴いたところ、一人の旅人との不思議な縁から肥後国へ導かれ、そこで……。臨場感あふれる戦いの場と、登場人物それぞれの運命が絡み合う愁嘆場も読みごたえ十分な新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
道楽モン
45
鎮西八郎為朝という存在は、少なくとも昭和戦前までは一般庶民の間でもよく知られていたのだろう。歌舞伎やら本作を代表とする読本を通じて、今よりも馴染みのある我が国の歴史的ヒーローとして親しまれていたらしい。五代目・古今亭志ん生の昭和30年頃の録音で『火焔太鼓』を聴くと、噺のクスグリに使われており、観客もそれを自然に受け入れて笑っている様子が記録されているのだ。今や一部の歴史好きや国文学研究家しか知られていない様子だが、本シリーズ新訳版の刊行の意義は大きい。足りない知識を補うべく『保元物語』も購入。馬琴は最高。2025/12/10
星落秋風五丈原
20
死んだとされても“実は生きていた”伝説が流布する。為朝も同様で、八丈島、さらに琉球(沖縄県)に渡ったという伝説が生まれる。冒頭は登場人物紹介である。為朝は史実では死んだとされたので、その身代わりになった鬼夜叉。為朝を愛した女性白縫と三郎長女。そして福禄寿。えっ福禄寿??美女に心を動かされず、博学。100歳を越えているのに、お肌ツヤツヤで童顔。いいね!おや頭が体の半分?でか!まっすぐ歩けるのか。でかいヤマネコまで出てきたぞ。灰色毛で短足、120センチの体長。さすが南国。なんでもよく育つ。そんな問題じゃない。2025/09/20
春風
8
本巻では『弓張月後編』が収録される。しかしながら騙されてはいけない。終わらない。まだ拾遺や残編が残っているらしい。前編では保元の乱前後を只管に陽性に描いていて愉快痛快といった趣であったが、後編では馬琴の筆が踊って悲喜交々の展開が繰り広げられる。画工北斎の筆もまた踊る。よく見知ったあの繊細な線と大胆な構図の絵が花を添える。馬琴、北斎共に適応力の高さと早さとに驚かされる。さて物語であるが、主として伊豆大島に遠流となった後の為朝の大活躍が虚実織り交ぜて展開される。そして物語は、史実では為朝が没したその先へ。2025/09/08
果てなき冒険たまこ
5
保元の乱で敗れて大島に流され追討を受けて業火の中で腹を切る。。と見せかけて九州に逃れるところから冒険が始まるってわけで今回も落ち着いた語り口ながらいろいろと読ませる工夫満載な馬琴先生の椿説弓張月。巻末の稗史七法則は小説を読むうえでも内容を理解するうえでもとても役に立つ。小説を書く人は自分なりの法則を持っているんだろうけどこうやって改めて提示されると頷けることが多いな(自分じゃ書かないけど)。さてこのシリーズは5巻まで続くらしいので楽しみに待ってようっと。2025/09/27




