内容説明
『BEATLESS』の著者が日本SF大賞&星雲賞を受賞した最高傑作
不慮の事故によって右足を失ったダンサーの護堂恒明は、AI制御の義足を身につけることで人間性のプロトコルを追究するが──。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
不慮の事故で右足を失い、AI制御の義足を身につけることになったダンサーの護堂恒明。彼が人とロボットのダンスを分ける人間性を表現しようと試みる近未来小説。身体表現の最前線を志向するコンテンポラリーダンサーだった恒明の突然の暗転。絶望の中に義足に希望を見出し、自らの肉体を掘り下げてダンスの本質を突き詰めていく恒明。そして認知症が急速に進んでしまい変わり果ててゆく、伝説の舞踏家だった父と向き合う絶望の日々。テクノロジーの進化と限界も実感するなかなか壮絶な展開の中で、ある意味彼ららしい結末が印象に残る物語でした。2025/07/16
tosca
26
2050年という設定なので、さほどSF感はない。28歳のダンサーが事故で片脚を失いAI義足を装着する所から始まる。AI義足が近未来では夢のように素晴らしい働きをして、一流のダンサーとして活躍する話…では全く無く、重苦しい展開が続く。認知症になった親の介護に至っては、お金があればテクノロジーを享受できるようだが、金銭的余裕がない家庭は現代と変わらない状況に陥る。ロボット、技術者、義足ダンサーが協力し合う舞台への道程と、親の介護の話が並行し、人間とは何かを考えさせられる。コンテンポラリーダンスは理解が難しい2026/09/04
石橋陽子
14
ダンサーの恒明は事故に遭い右足を切断。その後もダンサーであることを望みAIで制御する義足を付ける。ロボットに身体表現をする為のプロトコルを開発すれば、人間と完全に共演者になって踊ることが出来るという。それと対照的な元ダンサーの父。認知症を発症し徐々に記憶が失われていく。人間性を失っていく。そんな経過をプロトコルで制御は出来ない。作品通してヒューマニティ(人間性)とは何かを問う。恒明は父親の介護を通して、また彼女の温かさを感じて、自身の人間性に気付いていく。機械との対比により一層人間の奥深さを感じられる作品2025/10/20
ソラ
11
【読了】C 好みのあらすじではなかったものの、どこか魅かれるものがあって購入。いい意味で思ってたのとは違っていて、この作者の作品の中では個人的には一番好きかも。 2025/10/11
おりすと
8
AI・ロボット技術が今よりもう少し進んだくらいの近未来、事故で片足を失ったダンサーが、人間とダンスの、そして人間と人間の関わり方(プロトコル)を再定義してゆくお話。まずダンスのお話が面白いです。コンテンポラリーという素人には難解な芸術表現をダンサーである主人公の視点から見られるのは、創作だとしても稀有な体験でした。加えて作中のSF描写も非常に現実的。おそらくあと十数年後に出るかなと思える技術群は、SFでありながら地に足がついた描写に感じられます。そのうえで展開される人間関係のなんと心に来ることか。2026/04/28




