内容説明
五大名家が一つ、平木家長女として異世界転生したさつきは、特権階級なら使えて当然の魔法が使えない。そのせいで家族から爪弾きにされているけれど、前世でも同じような扱いだったし、くよくよしてもしかたがない。だからさつきは今日もお供の《毛むくじゃら》を連れて元気に女中のように働く――妖を視る力については誰にも言わずに。
そんなある日、許嫁の勝に「さつきさんはちょっと……」と妹の美代子へ乗り換えられてしまったさつきは、怪しい軍人・市井に「うちの隊で働かないか」とスカウトされて……!? 顔が整いすぎて逆にうさんくさい彼についていった先で繰り広げられたのは剣と魔法を駆使した異形討伐!!
魔法が使えず無能だったはずのさつきは、市井の助手として大活躍する!
「私は役に立ちますか」
「当たり前だろ、今更何言ってんだか」
異能持ちの前向き転生少女とエリート凄腕軍人コンビが織りなす、ちょっと不思議な和風異世界ファンタジー、開幕!
【電子書籍限定書き下ろしSS付き】
「ナポリタンと私」収録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nishiyan
6
魔法や妖が存在する大正時代の日本に酷似した世界に名家の一つ平木家長女に転生したさつき。魔法が使えないために虐げられているだけでなく、妹に婚約者まで奪われてしまった彼女がエリート凄腕軍人の市井の助手にスカウトされたことから始まる和風異世界ファンタジー。前世から自己肯定感低めだが、何だかんだとたくましいさつきとそんな彼女を面白がりつつもしっかりとこき使う市井の関係性は良き。相棒?というべきか、ペットなのか、さつきの傍らにいる毛むくじゃらの謎が気になるところ。次巻はどうなるのかしら。2025/08/02
フジ
3
魔法が使えないため家族に冷遇されていた異世界転生者のさつきが、妖が見える能力を見込まれ新たな環境へと飛び込んでいくお話。つらい環境のなかでもへこたれず強く生きていく、さつきが良い。謎が多い相棒?の毛むくじゃらも彼女には見せない姿があるようでこれからどうなるのか気になる。ただ豆田先生の作品が好きなのだが、なんだかこの作品は若干読みにくかったかな。2025/08/02