内容説明
物流の雄、コンゴウ陸送経営企画部の郡司は、入社18年目にしてはじめて営業部へ転属した。担当となったネット通販大手スイフトの合理的すぎる経営方針に反抗心を抱いた郡司は、新企画を立ち上げ打倒スイフトへと動き出す。そのために考え抜いた秘策は、買い物難民を救い、商店街を活性化するとともに、世界に通ずるものだった―。運輸界最大手企業と世界的通販会社、物流の覇権を巡る戦いの火ぶたが、いま切られる!
著者等紹介
楡周平[ニレシュウヘイ]
1957年生まれ。米国企業在職中に『Cの福音』でデビューし、一躍脚光を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
339
『再生巨流』が良かったので続けて読んでみた。打開策が『再生~』とは真逆のアプローチなのが興味深い。スイフトの堀田がいい案配に嫌な奴なので、勧善懲悪風味になってはいる。しかし、コンゴウのオペレーションも相当に現場を泣かせていそう。冒頭の坂道のくだりはその後解決したのか?フィクションとして読んでいるのに、門外漢からすると「なんでコレを現実にやらないんだろう?」と思わせる、説得力のある筆はこびと、草の根分ける業界内描写がコンパクトな中に同居している。課長職でこれだけの仕事が出来たらさぞ楽しいだろう。2020/02/08
相田うえお
119
★★★★☆19091 企業小説って、読書中でも齷齪してしまうので最近は敬遠傾向なんですけど、これは面白かった!配送業務を都合よく運送会社に投げつけて、いいとこ取りを企むネット通販最大手スイフトジャパン、スイフトに偏った配送量比率の業態から脱却しようと新たな戦略に挑む日本最大手運送会社コンゴウ陸運。お互いの思惑がどうなるのか、先が気になる展開でした。これ、解説を読むとamaz○nとヤ○ト運輸がモデルみたいですね。事実に基づいた情報と創作部の区別は付きませんが、どちらも身近に利用してるので興味深く読めました。2019/10/02
まつうら
59
物流会社を舞台にした新規ビジネス創造の物語。「再生巨流」や「ラスト・ワン・マイル」もそうだったが、著者はどうしてこんなにも新規ビジネスを構想できるのか、そのビジネスセンスには本当に感心してしまう。この作品のスイフトvsコンゴウ陸送の戦いは、そのままアマゾンvsヤマト運輸の戦いだ。お互いになくてはならない関係性の両社が、文字通り食うか食われるかの戦いをする様子は手に汗を握る。さらに見方を変えるなら、いまや独り勝ちとも言えるアマゾンを蹴落とすプランがここに詰まっていて、とても興味深く読了。とてもおもしろい!2022/12/15
Kazuko Ohta
42
ヤマトがアマゾンの当日配送から撤退すると聞いたとき、思いきった決断をしたなぁと驚きました。本作はフィクションではあるものの、内情はまさにこんなだったのでしょう。アマゾン専属の配送業者にされるのは阻止したい、でもアマゾンの配送がなくなったら会社はどうなるのか。ヤマトを応援したくなるけれど、私だってもはやアマゾンなしでは成り立たない生活を送っている。世のため人のためになり、喜ばれるサービス。そこに関われることこそがビジネスの醍醐味。はたしてどれだけの会社が、人々が、それを感じて仕事をしているのか。私も含めて。2020/03/01
酔拳2
39
ドッグファイトって聞くと無法者同士の抗争のイメージがだ、本作はちゃんと法に基づいたビジネスストーリー。初めての作家さん、ニレって読むんだ。世界的ネット通販のスイフトvs日本の物流最大手、コンゴウ運輸のバチバチの対決。弱者が強者に戦いを挑む。フィクションだけどスイフトはGAFAの一角、コンゴウはY運輸をモデルにしているのは明白。まあ、A社はこんなに悪い会社じゃないけどね。現実はコンゴウほどうまくいかないかもだけど、本当にできたら素晴らしい対抗策。日本品質って、捨てたもんじゃないね。2021/03/15
-
- 電子書籍
- C#で入門 はじめてのプログラミング …
-
- 電子書籍
- 悲しみがとまらない 恋愛ソング・ブック…
-
- 電子書籍
- エコで世界を元気にする! - 価値を再…
-
- 電子書籍
- 傷―慶次郎縁側日記― 新潮文庫
-
- 電子書籍
- ロウきゅーぶ!(3) 電撃コミックス




