内容説明
二人は、『ほうかご』で死んだはずなのに――。
『ほうかご』から週が明けた月曜日、死んだはずの二人の仲間が何事もなかったように生き返り、学校に登校していた。驚愕する五十嵐華菜たちの前で、混乱状態に陥る当事者の二人。「なあ……お前、本物か?」「帰ってきてくれて、マジで嬉しい」恐怖と動揺、そして喜びがない交ぜになった『かかり』たちは、次の『ほうかご』の夜を迎える。
だが彼らを待ち受けていたのは、あまりにも衝撃的な異常事態だった。華菜は理解不能な状況を打破するため、『かかりのしおり』を作った元『かかり』に接触を図るが――。これは化け物たちに捕食される運命に抗う少年少女たちの、生き残りを懸けた戦いの記録。鬼才・甲田学人が放つ、恐怖と絶望が支配する“真夜中のメルヘン”第2部、第2弾。
年間ランキング唯一無二のホラー
★「このライトノベルがすごい! 2025」《総合新作部門》7位(文庫部門12位)(宝島社刊)
★「次にくるライトノベル大賞2024」《文庫部門》9位
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オセロ
50
今回もエグいって…。 無名不思議によって命を落とたはずの仲間が蘇った仲間の末路は残酷すぎる。それでもかかりの仕事からは逃れることは出来ないし、無名不思議の恐怖は止まることを知らない。ラストの双子の話は予想通りだったけども、読み終えてから呆然としてしまった…2025/07/16
mihya
33
またこんなところで終わるとは…。子供たちの葛藤が切ない。2025/07/12
ほたる
14
文章も、挿絵も、ホラーの描写はさらに磨きがかかり、思わず目を背けたくなってしまうような数々の展開に心を抉られる。怪異とは無関係のところからその心情を描いたうえで、改めて怪異に結びつけた展開は今までになく絶望した。絶望がどんどん更新される。2025/07/17
真白優樹
12
湧汰と春人が何故か復活する中、啓をアドバイザーとして迎える今巻。―――闇は子供の心の内から、そして崩壊の足音はすぐ側に。 何故復活したのか、その答えが啓により推測と言う形で示される中、海深と陸久、双子の内心を主に描いていく巻であり、思う所があるからこそ時に闇に囁かれる、内側からの崩壊の足音が近づいてくる巻である。少しずつ欠けていく仲間達、段々成長しつつある七不思議。少しずつ絶望への道を進まされていく中、これ以上の犠牲は避けられるのか。そして、最後に生き残るのは誰になるのか。 次巻も勿論楽しみである。2025/07/17
イツキ
8
経験の長い顧問のような存在もいない小学生のみの集団で怪異に立ち向かうことの無謀さがまざまざと感じさせられる巻。双子のエピソードの日ごろからセットで扱われ個人として見られないことの苦痛と仄暗い想像も強烈かつ悲劇的でしたが、死んだはずなのに戻ってきて良かったと思いきや七不思議としての自分は半ば分離した状態で同級生たちを襲っているというのも相当にえげつない状況だと思います、よくこんなの考えつくなと作者の発想も怖くなりました。2025/07/21