内容説明
安楽死が合法化された未来の日本。安楽死を希望する者は人命幇助者〈アシスター〉との最低十回の面談が義務付けられていた。
神奈川県・江ノ島の〈ラストリゾート〉でアシスターとして働く東峰渚。かつて安楽死希望者だった彼女は、その経験があるからこそ寄り添える痛みがあると信じ、安楽死希望者たちと向き合っていく。
たとえそれが、人生で最も許せない人だとしても――。
人気シリーズ文庫化第2弾。文庫限定書き下ろし短編「そして始まりの場所へ」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
安楽死が合法化された未来の日本。かつて死を願った少女が誰かの孤独を救う第2弾。神奈川県・江ノ島の〈ラストリゾート〉でアシスターとして働く東峰渚。かつて安楽死希望者だった彼女が、その経験があるからこそ寄り添える痛みがあると信じて安楽死希望者たちと向き合っていく展開で、声を奪われてしまった元歌手や、突然の再会に戸惑いを隠せない渚の本当の母親、そして安楽死を救いと感じている男性と同期の朱音。今回もなかなか難しい選択でしたけど、それでも渚も寄り添って一人ひとりに向き合っていったそれぞれの結末はとても良かったです。2025/08/05
栗山いなり
10
かつて安楽死希望者だったアシスター・渚と安楽死希望者達を描いたシリーズ第2巻。安楽死希望から紡がれる命の物語に友情物や家族物の要素が入ってた作品でそのどの要素もかなりのクオリティを持ってると思えた。命に向き合うという意味では前巻より好きかも2025/07/21
本の虫
3
シリーズ第二弾。 死を真正面から見つめることで、見えてくる部分ってあると思う。死を意識することは、即ち生きることと同意味であり。渚の母親、誰が責められようか? 彼女だって、実は捨てられ、虐げられてきた、負の連鎖は続くんですよ。それを受け止める渚は、本当成長したなぁ。生きる意味はないに共感します。2025/08/21
かず
3
昔から少し希死念慮のある自分にとってはピッタリの作品で、一作目同様にとても優しさに溢れた温かみのある物語だった。 死にたいではなくて生きていたくないという感覚はすごく共感出来て、この物語の登場人物みたいな壮絶な過去だったり、事件があったわけではないけど、一人だと感じる瞬間が多々あって、こんな人間いくらでも居るだろうし、めんどくさい人間なんだろうけど、そんな自分を優しく支えてくれた様に感じる。 押し付けがましい励ましよりも、寄り添って、自分の話を聞いてくれる人がいる事が救いになるのだろうな。2025/08/07
水木
2
3ヶ月連続刊行の2作目 前作同様、生きるとは、死ぬとは、自分の人生とは…と考えながら読むけどやっぱり、人は死ぬ時は死ぬし、生きる時は生きる。ただそれだけのことなのに、なんて複雑に私たちの人生に絡みついているのだろうかと読みながら日々回顧している。 誰にも死んで欲しくないけど、自分は…っていう僕にはやはり刺さってしまう作品だなぁと思う。 日々の苦しみや人生の願いの在りどころのような、微かな光に手を伸ばす人の救いの物語だった2025/07/05
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