内容説明
『クラスメイトの女子、全員好きでした』
『死にたい夜にかぎって』の著者、初の小説。
僕が住む町の外れに、変わり者の太ったおじさんが住んでいる。
学校では不審者扱いされていて、
僕もふざけて「ゴブリン」なんてあだ名をつけてしまった。
悪いことをしたと思ってる。
だってゴブリンだけなんだ。僕の頭を撫でてくれるのは。
お母さんは家を出て行っちゃったし、
お父さんは毎日僕を殴るから――。
少年と中年のくだらない日常が、心の傷の在処を教えてくれる。
自らの過去を投影して描いた、悲しくも笑顔になれる、
自分だけの愛を探す物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
クラムボン
27
なんだか懐かしい時代を思い起こす。 それもそのはず、作者が同世代。 主人公も自分の小学生と重なる。 多分、1990くらいかな。 内容は決して穏やかでない。 でも生きていこうと思える。 読みごたえあり。2025/06/28
zen-dai
12
これは間違いなくいろんな人に読んでもらいたい一冊ですね!!爪切男さん初めて読んだんですけどめちゃくちゃ読みやすい。そして『愛がぼろぼろ』は、きっと読書をあんまりしない人でも読みやすいはず!!父親から暴力を振るわれている広海…そんな中出会ったのが町の嫌われ者ゴブリン…ゴブリンとの出会いを通じてさまざまな人と交流する中で広海の心境にも変化が起こる。人間って誰かがいるから嫌な想いも辛い想いもするけど、誰かがいるから救われるし楽しいと思える。2025/08/14
settar
10
小学6年生の広海は、ある日友達と不審者宅を襲撃。その家の住人であるおっさんをエアガンで撃ちまくったあげく、「ゴブリン」と名付けたことで広海は申し訳なさを抱く。ゴブリンと仲良くなり、家に通うようになると、同じく父から殴られていたクラスメイト北斗と南の双子に出会い、物語は新たな展開を迎える。笑えて泣ける。1番風呂に入ったみたいなぽっかぽかな気持ちになる。2025/09/22
アリスとアニー
10
爪切男さんのエッセイは読んだことがあるのですが、小説は今回が初めてです。登場人物のキャラがなかなかに濃くて、まるでどこかのギャグマンガの小説版を読んでいるかのようでしたが、物語終盤の主人公の父親英二とゴブリンとの格闘技の試合はついつい結末が気になってページを捲る手が止まりませんでした。気軽に読める一冊です。2025/07/03
カニック
8
なんとも言えない味のある作品。どんどん爪切男ワールドにハマっていきそうです。「死にたい夜にかぎって」「クラスメイトの女子〜」に続き、こちらも映像化したら超絶面白くなりそう。2025/09/02




