内容説明
ガチョウの背に乗ってスウェーデンじゅうを旅するニルスは、ある夜コウノトリに誘われて、海辺の砂浜を散歩していました。そこにこつぜんと、堂々とした城壁に囲まれた町が姿を現します。百年に一度、復活祭の前夜に一時間だけ海底から現れるという不思議な町に踏みこんだニルスは、魅惑的な家々や広場や路地をめぐり、アラビアンナイトさながらの経験をするのですが……。オールカラーの美しい挿絵で贈る、名作古典の入門篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆのん
72
子供の頃、確かNHKだったと思うがテレビでアニメを観ていた『ニルスの冒険』。懐かしくなり手に取った。美しい挿絵ときちんとした背景などの後書きもあり、さすが福音館。悪戯が過ぎて妖精に小さくされてしまったニルスがガチョウに乗り冒険の旅に出る…本当に懐かしい。同じ頃に『スプーンおばさん』も観ていたような…小さい人ブームだったのだろうか。632019/02/22
七色一味
50
読破。ジャケ借り。懐かしいアニメの映像(アヒルにまたがったニルスの姿)は浮かぶんですが、どんなお話だったかまるっと忘れていて、ついつい懐古趣味的に借りてみましたが…。これが結構面白かった^^☆『まぼろしの町』は『ニルスのふしぎな旅』の14章「ふたつの町」の物語の1つの町の物語だけを独立させ、冊子としてまとめたとのこと。こんな不思議な物語だったけ。これはぜひとも『ニルスのふしぎな旅』を読んでみなくては!2015/02/03
mntmt
23
挿絵が素晴らしい。「ニルスのふしぎな旅」から六つのエピソードを選んで、このシリーズを作ったそうです。全部読もうと思います。2016/03/23
千尋
23
『ニルスのふしぎな旅』の物語をダイジェストにまとめて美しい挿絵で読みやすくした本*ニルスが小さくなり旅をはじめて3週間目の満月の夜-小カール島でニルスは10日前にとある城で仲良くなったコウノトリのエルメンリッヒと再会します。この『まぼろしの町』は、原作では「海底の町」で海に沈んだヴィネタの町が一晩だけ海上に現れるというおはなしをもとにしており、ちょっと切ないですが幻想的で美しいです*2012/08/26
anne@灯れ松明の火
21
他の作品で平澤朋子さんの挿絵に興味を抱いたところ、読友さんご紹介。『ニルスのふしぎな旅』は子どもの頃に読んだし、アニメも観ていた(細かいことは覚えていないが^^;)これは分厚い長編小説には手が出せない人にも親しんでもらえるよう作られた絵童話シリーズ。オススメ通り、素晴らしい作品。平澤さんの絵が見事! 夜の空や海の色が深くて、引き込まれる。細かく描かれた町や品も美しい。勿論、お話、文章もいい。切なく、悲しいお話で、ニルスってこんな話もあったんだと思った。2以降も楽しみだ。2014/09/18