内容説明
栄国第八王女の春燐が唐陀国の国王である鬼嶽に嫁いでから四か月。
夫が大好きな春燐は鬼嶽に言い寄るものの、すげなくあしらわれる日々を送っていた。
見かねた侍女に街で噂の占い師を頼ってみてはと提案され訪ねてみると、そこには絶世の麗人の姿が。
けれど何でもお見通しだというその人物が告げたのは「鬼嶽が命を落とす」という残酷な未来で……。
一方、鬼嶽は夜な夜な死体が蘇る奇妙な事件の対応に頭を悩ませていて……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イカまりこ
5
今回も面白い。鬼獄に対して変態過ぎる好意を寄せる春燐のアプローチが笑わせてくれる。だけど物語の内容はシリアスな部分もあって、春燐の性格でさえただの変態ではないんだよなぁ。がらんどうと言われる春燐の中身。最初は失礼だしムカつく言葉だと思った。でもこれまでの生きざまで培われたものであって、鬼獄に尽くそうとする姿はただの空っぽじゃないんだよ。これからいっぱい鬼獄で埋めていってほしい。迦蓮の性格もだいぶ拗らせてたなぁ。一緒にいるべきじゃない相手なのに生きる意味になってる因縁の関係。複雑な愛憎劇で切なかった。2025/07/28
冬野
4
シリーズ第二巻。一巻では春燐がひたすらおもしれー女だったが、徐々に鬼嶽も含めておもしれー夫婦になってきた。何この夫婦、推せる…。死なないはずの鬼嶽が死ぬと予言する占い師、動き出す死体、春燐に急接近する美青年、と惹かれる要素たっぷり。春燐の絵を描くという趣味も活きてきて、前巻でやや不満が残った部分なので満足度が高かった。夫婦関係は基本ドタバタ気味なのに急に官能的な描写が挟まるからドキドキしてしまう。お互い想い合ってるのを知るのは本人たち以外だけというのも良い。この作品の男女の描き方の自由さが好き。星:5/52025/07/17
色素薄い系
1
相変わらずドMを発揮している春燐に辟易しながらも鬼嶽の中では気になる存在になって来ているようでした。春燐が歪んでしまったその理由はまだ不明ですが前回語られていた鬼嶽の母親が今回の主役。春燐が空っぽの中身を鬼嶽への執着で埋めているというのはどういう事なのか。鬼嶽は禍鬼は人を愛さないと信じているようだけど母親の朔夜曰く禍鬼だって人を愛するようでならなぜ鬼嶽がそう思っているのか気になりますね。血が特別に美味しいと感じるのは自身が愛しているからとも言っていたので最初から鬼嶽は春燐を気にしていた事が判明しました。2025/07/18