内容説明
数学のアイディアは経験に由来する、というノイマンの数学観は、作用素環に関する研究にも如実に現れている。それは量子力学を数学的に記述しようとしたところから、ノイマンが数学の一分野として確立したものだ。その後、荒木不二洋、境正一郎、竹崎正道、冨田稔など日本人の著しい活動とアラン・コンヌやヴォーン・ジョーンズらの研究によりさらに発展した。本書は「作用素環について」と題された一連の論文と、終戦直後の講演「数学者」を収録。“数学はどうあるべきか”という深い洞察に裏打ちされた第一級の業績がここに。
目次
数学者/作用素環について/作用素環についてII/作用素環についてIII/作用素環についてIV/訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
無限と連続に対して公理主義を掲げたヒルベルトの無限ヒルベルト空間と線型代数学を対象とした量子力学に数学的基礎を与える目的で、著者は作用素環を導入したという。個々の対象を系とし、代数的線型性を環に変更することで連続次元論を含む量子力学の数学を基礎付けた本書は、その代数構造と無限ヒルベルト空間の作用の明確化を目的とする。本書冒頭には「数学者」なる講演が収録され、その後7年をかけた作用素環論が続く。この冒頭の講演での著者のプラグマティックな態度を読むと、物理量の確率的解釈に関わる作用素環のモチーフも想像できる。2021/10/28
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