内容説明
日本産の化石からつくる古代生物水族館
唯一無二の紙上水族館で、心躍る体験をお楽しみあれ
もしも「古代生物水族館」をつくるとしたら……
それも日本近海に生息した水生生物の水族館を.
そんな妄想のような水族館の紙上建設が、いよいよ現実味を帯びてきている。
この水族館を構成すると目される、日本各地の絶滅した水生生物にまつわる研究の紹介をとおして、
発掘調査を始めるまでの手続き、化石発掘の手法、クリーニングから復元、論文発表まで、
知られざるエピソードともに、古生物学研究の醍醐味を大いに語る。
「古代生物水族館」完成に向けた研究は、まだまだ続く。
■化石から広がる世界と、科学研究の醍醐味を一度に味わえる、とびきりの科学読み物。
■巻頭カラー口絵では、日本の化石産地で発見される古生物をヒントに、過去の生物群集を再現。
太古の日本の海にはどんな生物が生息していたのだろうか?
水中の生物進化の歴史をたどる「古生物年表」も見ながら、想像力を膨らませよう。
●目次
[カラー口絵]古代日本の海を覗いてみよう/古生物年表
第1章 化石からどうやって「古代生物水族館」を構築するか
第2章 私の古生物学事始め
一 古生物学へのいざない
二 はじめての化石
三 アマチュア化石収集家との遭遇
第3章 いざ、発掘へ
一 研究室配属
二 はじめての単独調査
三 白亜紀の海の生物たち
四 ボーンベッドとの出会い
五 化石の掘り方
六 翼竜と首長竜の化石に出会う
七 自分の力で掘る
八 ボーンベッドの謎に挑む
第4章 魚竜を釣る
一 歌津魚竜
二 魚竜産地の意外な現状
三 北上の化石の歴史
四 魚竜館
五 トライアシック・コースト
六 化石のクリーニング
七 化石からわかること、わからないこと
八 古生物に関する論争
第5章 魚竜のおとしもの
一 礫か? 歯か?
二 コプロライト
三 日本最古の「うんこ」はタイムカプセル
第6章 思わぬ発見の数々
一 魚竜よりも古い骨
二 無人島へ
三 爬虫類ではない?
四 ドイツとのつながり
五 壁
六 私には、古生物学者には、なにができるか
第7章 水生動物としての恐竜
一 恐竜は水中でも進化した!
二 魚食恐竜スピノサウルス
三 スピノサウルスの真の姿
四 スピノサウルス類のいた時代の日本
五 海と陸とが交わるところ
第8章 化石発掘の心得
一 化石掘りを始めるには
二 化石発掘の注意点
三 事前の準備
四 化石発掘のコツ
第9章 古生物学者をめざす人のために
一 古生物学を勉強するにはどうしたらよいか?
二 古生物学者になるには
三 大学からの古生物学
四 研究ってなんだろう?
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やすらぎ