出版社内容情報
デントン市内で起きた事件は大半が未解決のまま。署に州警察本部の調査が入るわ、“超能力者”が押しかけるわで事態はまさに八方ふさがり……フロスト警部、ついに降参か!?
内容説明
冬のデントン市内で起きた事件の数々は、大半が未解決のままだった。少女誘拐の容疑者は不在となり、売春婦を狙う殺人犯はいまだ野放し。マレット署長の小言には無視を決め込み、モーガン刑事の相次ぐ失態はごまかしてきたが、それも限界だ。どでかい失策に州警察本部の調査が入るわ、“超能力者”が押しかけるわでデントン署は機能不全の瀬戸際、フロスト警部もついに降参か!?
著者等紹介
芹澤恵[セリザワメグミ]
成蹊大学文学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
415
だんだんシリアス感が増してきている気がする。しかし犯人の意外性やマレットの軽んじられ度等々、個人的には全作品中でも印象深い一作ではあった。モーガンは最後まであのままで良いとこ無しで終わったのがある意味意表を突かれたが、幼児殺人の犯人のオチはさすがに想定の範囲内。あれで別の犯人がいたらシリーズが破綻しかねない。気になったのはリズ。その後、結局バートンとはどうなるのか、このまま投げっぱなしで終わってしまいそうな匂いもするが、最終作でこの辺りに触れられる事を期待したい。怪盗枕カヴァーは書く必要があったか?2017/08/04
遥かなる想い
225
下巻はカンのみに頼る フロスト警部の大活躍で ある。下品なジョークを 連発し、マレット署長に 毒づきながら、犯人を 追い詰めるおっさん警部。 連続少女誘拐事件と売春婦殺人事件…そして不可解な 白骨死体事件…解決は 偶然の産物だが、フロストの 直観に読者も右往左往しながら、 巻き込まれていく…そんな 楽しいミステリーだった。 2014/12/28
stobe1904
104
【フロスト警部シリーズ】連続娼婦殺害事件、怪盗枕カバー、連続少女失踪事件を追うフロストだが、手がかりをつかめず、ドジばかりの部下とマレット署長のプレッシャーが容赦なくフロスト警部にかかるが…。下品なジョーク、ドタバタ劇、小心者マレット署長、結末にかけてのギアアップなどいつもながらのワンパターンなのだが、読み終えるのがもったいないくらい、とても大事なシリーズであることを再確認した。翻訳の上手さも相まって素晴らしい出来栄えだと思う。最後の『フロスト始末』はゆっくりと味わいつくしたい。★★★★★2021/09/15
佐々陽太朗(K.Tsubota)
95
風采が上がらず、下品なジョークをとばしてはすべってばかりいるフロスト警部。憎まれ口をたたき理想の上司タイプにはほど遠いが、本当は心優しく人の情ってヤツがわかった男だ。そんな主人公の魅力もさることながら、フロスト警部シリーズをより魅力的にしているのは脇役だ。いけ好かないお追従署長マレット。ギラギラ上昇志向女性警部代行のリズ・モード。そんなモードに階級を追い越されひがむウェルズ。スケベでお人好しで役立たずの部下モーガン刑事。まさに多士済々。脇役の光る極上小説。上下巻あわせて1千ページを読んた労力に後悔なし。2013/07/21
オーウェン
71
フロスト警部にしては珍しいくらいに大きなミスをしでかす。 監査も出てくる中、未だに続く殺人によって、深夜の超過勤務は発生するばかりでマレットは頭を痛める日々。 モーガンはどこまでミスるんだとばかりの頼りなさ。 モード警部がおとりになるとなった時点で展開は読めるが、しっかりとそれに絡むモーガン。 ラストはフロスト警部の執念が見えるし、少女の誘拐事件の顛末がまたこのシリーズらしい。 ラスト2ページでしっかり逆転してくれる爽快さは実に痛快。 次巻は遂に最終作だけど早く読みたい。2022/05/30