内容説明
翻訳機が使えない本だけを売っている辺境の惑星の書店を訪ねてきた女性の意外な目的とは……(表題作)。物に触ると鋭い痛みを感じる女性の家には、かつての思い出の品があって……『サボテンを抱く』。見たこともない不思議な世界の瞬間へと誘われる掌篇14作
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぜんこう
24
ショートショートになるのかな…14編の掌編。僕にはキム・チョヨプさんの書くSFが合ってるみたい(今のところ)…もっと読んでいたい。異星人などが出てきたりするけど難しい話じゃない。あまり交流のない外国人や生命体という感じかな。双方にほとんど悪意がないのもいい。もっとキム・チョヨプさんの他の本も読みたい。2025/10/08
あおでん@やさどく管理人
24
邦訳最新作はショートショートが中心。「切ないラブソングはそれぐらいに」を読んで、バラードで歌われていることは日本でも韓国でも似たようなものなのだな…と思ったり。後半では「シモンをあとにしながら」が好き。物語全体が「互いに触れないよう気をつけながら」と「ほかの生き方もあることを」にまとめられているが、この表題自体が他の作品と通ずるものがある。2025/05/29
星落秋風五丈原
22
SF短編集。サボテンにさされにいく人がいたい。2025/06/22
ひっさん
19
多文化共生という言葉をよく聞く。これまでのように受け入れるという一方的な立場ではなく、共生しなければ生きていけない世界になっていると思う。その中で私たちはどう生きるか。他人を完全に理解することはできない。それでも知りたい、理解しようと歩み寄ることはできる。本書は他人との違いや繋がることの面白さを教えてくれる。同じ景色を見ているようで、受け取り方は誰一人同じじゃない。本作を読んだ後、見える世界は以前と変わっていると思う。瞬間、刹那や機微を感じるとることができる。キムチョヨプさんの作品は胸がドキドキする。2025/10/16
夕つけ
18
SF掌編14作を収録。キム・チョヨプは、SFの壮大な縮尺を使って、繊細な人の心というものを描くのがほんとに巧いんだなあと感心する。言葉だけで分かりあえない人間たちに、それでも言葉で分かりあうしかない虚しさや儚さ、そして喜びも教えてくれる。本編は「互いに触れないよう気をつけながら」「ほかの生き方もあるということ」という2つのパートに分かれていて、前半は人との繋がりについて、後半は共生について書かれている。分断や偏見による差別がまだまだ無くならないこの世の中、相手への思いやりや優しさを忘れないようにしたい。2026/01/07




