内容説明
同棲中であるミワの家は、玄関のドアを開けると二つのドアが現れる。彼は帰宅すると、ミワのいるリビングに通じるドアではなく、先にもう一方のドアを開くという……(「どちらのドアが先?」)。三橋葉子は、母の死を機に、叔父が暮らしていた家に移り住んだ。葉子はその家に住むにあたり、窓がなくドアも見つけにくい小部屋をつくった……(「仕込み部屋」)。単行本時、話題沸騰した唯一無二の間取り小説、待望の文庫化。(解説・春日武彦)
感想・レビュー
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cocomatsumoon
1
間取りとそれにまつわるお話。 こんな部屋に住む人ならこんな風に暮らしているかもな……とも思えたし、個人的に好きな部屋もあれば、怖い部屋もあった。 特にさわやかな感じもなく、妙にリアリティのある各間取りの主人公達。 間取りが載っていることで、想像しやすくて面白かった。2025/05/31
Xi
0
間取りと妄想。もうタイトルだけでぐっとくるじゃないか。ページをめくれば間取りからはじまる物語。ツーバイフォーのありきたりではない間取り。住みやすそうだったり、住みにくそうだったり、憧れだったり、気が狂いそうになったり。変わった家には変わった人が住むは言い過ぎだろうか。個性的な家には個性的な人が住むぐらいだったらゆるされるだろうか。とはいえ、一冊読み終えるとお腹いっぱいになってしまう。刺激は適量に。だ。2025/06/23