内容説明
事件を呼ぶ本の虫・おせんが導く出版捕物帳
デビュー作『貸本屋おせん』で歴史時代作家協会賞新人賞を受賞、
業界最注目の著者による、看板シリーズ第2作!
文化年間の江戸浅草。
主人公は女手ひとつで貸本屋を営む〈おせん〉。
謎があるとつい首を突っ込んでしまう、事件を呼ぶ「本の虫」です。
表題作「往来絵巻」は、神田明神祭りが舞台。
宝くじが当たるより稀有でありがた~い、特別な「行列」を出すことになった与左衛門は、我らの偉業を絵として残そうと提案した。
金に糸目を付けず、1年待ってようやく仕上がった祭礼絵巻がついに完成。
しかし…… 絵には一人足りない人物が。消えた「あいつ」は何者だ?
〈おせん〉の推理がさえわたります。
蔦谷重三郎を巻き込んだ江戸出版界を揺るがす謎や、
〈おせん〉の父の死の真相、本仲間で絵師の「燕ノ舎」の最期……。
ちょっとビターで、心温まる、本好き必読の一冊です!
時代を超えて本好きを魅了する出版文化の豊饒さをお楽しみください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
101
シリーズ2作目。江戸時代の本業界に興味津々。行くところ事件が起きがちなおせんを通して江戸の風情をたっぷり味わいました。 📝百人が素通りする本も、たったひとりの心に響くのなら、これほどうれしいことはないではないかー(p20より)2025/06/10
タイ子
88
貸本屋おせんがまた読めるとは嬉しい。貸本を山のように背負いお得意様に届ける毎日の中で本にまつわる事件に遭遇し謎解きをするおせん。江戸っ子らしいおせんの姿は読んでいても気持がいい。奉行所の失態をあざ笑うような落書きの犯人は誰?とか神田明神のお祭りの絵巻があまりにも詳細で、人数が合わないところから謎は深まりある事件に辿り着く。その詳細な絵を描いたのが若き日のある人物だというのも設定が面白い。どんでん返し的なミステリー展開もあったり、思わず涙ぐむ人情ものもあり、飽きずに読める。続編をまた期待したい。2025/07/28
たま
80
2022年に出た『貸本屋おせん』が文庫化され、同時に続編『往来絵巻』が出た。第1作のおせんはハードボイルドでそれが新鮮だったけど、今作は少し丸くなったようで読者の私もほっとした。母の出奔、父の非業の死、忘れはしないものの今は働き盛り。人とのつながりも増え、困っている知り合いに力を貸す。第1話「らくがき落首」は時系列が良く分からず戸惑ったが、ほかの4話は面白かった。ドラマの『べらぼう』より少し後の時代だが、本屋の蔦重はもちろん鶴屋や西村屋も言葉の端に上り、何だかお馴染みの世界のような気がしてうれしい。2025/07/09
星群
71
シリーズ第2弾。〝おせんが丸くなった〟って感想を見かけたんですけど、確かにカドが削れてる感じはありましたね。なかなか、幼馴染の登が登場しなくて、2人のやりとりがツボな私は一瞬焦ったんですが、無事2人の掛け合いを見れてニンマリ。次に2人を見る時は、もう少し何か発展していてほしいとこですな。今回取り上げるのは『みつぞろえ』です。感じた違和感は正しかったな、みたいな感じです。2025/07/10
itica
70
続編。「蔦重」効果で江戸の出版業界も注目の的?かどうかは知らないが、お上の取り締まりをかいくぐって存在するある本を巡り、密かに繰り広げられる争奪戦「みつぞろえ」、悪だくみを思いつく新参者の「道楽本屋」などバラエティーに富んだ5編。女だてらと揶揄される貸本屋おせんは面倒ごとに巻き込まれるのが常で、商売柄あちこちに顔が効き、まさに探偵顔負けの活躍だ。しかしその割には煙たがられ、前作でも思ったがイマイチ華がない。そこがねえ惜しいと思うんだよ。 2025/05/28
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