文春文庫<br> 貸本屋おせん

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文春文庫
貸本屋おせん

  • 著者名:高瀬乃一【著】
  • 価格 ¥800(本体¥728)
  • 文藝春秋(2025/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167923648

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内容説明

オール讀物新人賞を満場一致で受賞!

高荷を背負って江戸の町を巡るおせん。板木盗難や幽霊騒ぎ、幻の書物探しなど様々な事件に巻き込まれながら好事家たちに本を届ける!

解説=久田かおり

単行本 2022年11月 文藝春秋刊
文庫版 2025年5月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nemuro

49
帯に「全会一致!第100回オール讀物新人賞受賞。時代小説界にニューヒロイン誕生!天涯孤独のおせんが書物にまつわる謎に挑む」。『オール讀物』に掲載の「をりをり よみ耽り」「板木どろぼう」「幽霊さわぎ」と書きおろしの「松の糸」「火付け」を収録の連作短編集。読本に係る難事件に立ち向かい江戸の町を駆け抜ける貸本屋おせん。テンポが良くて、実に面白い。久田かおり氏の「解説」には「貸本屋は江戸時代に始まり1960年代初頭まで続いていたらしい」。小さい頃、大きな病院近くの貸本屋さんで『少年マガジン』を借りた記憶が甦った。2025/07/07

sin

49
イッチ、リアルな江戸が在る。自分の印象だが江戸を舞台にして市井の暮らしを描いた作品と云えば人情モノを思い浮かべてしまうが、こいつはそんなに甘くない。時の権力者の都合か?武家と云う立場の衰退の兆し故か?庶民の娯楽につきまとう規制の数々⋯読み物と云う娯楽には当時の政によって課せられた制約がいっそう色濃く滲み出している。禁書に連座して刑罰を受ける職人、災難を読み物にされて逆恨みの男、美人絵の裏と託した女将の願い、幻の帖に隠れたロマンスと現実、火事に始まり火事で結んだ足抜けの顛末⋯それでも庶民は力強く生きている。2025/05/23

アイシャ

28
江戸時代、貸本屋さんが重い本をたくさん背負って、町々をまわっていたのね。若いとはいえ女性の体力でこの仕事をするおせんは、本当に本が好きなんだなぁ。元気で威勢のいい彼女は、ちょっとおせっかいでもある。いろいろと危ない目に会いながらも、筋を通しながら生きている。この時代、幕府からの出版業への締め付けはなかなか厳しくて、腕のいい彫師だった父親が、指を折られてしまい、最後に自死してしまったのは本当に気の毒。続きもあるらしいが、せめて登への当たりを少し柔らかくしてあげて欲しい。2025/06/14

えみちゃん

21
初読みの作家さん。江戸の貸本屋さんの話ってことでいつか文庫化したら読もうと思ってました。今年の大河ドラマ「蔦屋耕書堂」なんかもチラッと出てきてなんだかタイムリーな感じ。笑っ。江戸の出版事情やら庶民が本や錦絵を気軽に楽しんでいたことがいきいきと描かれていてとても興味深い。その一方で御公儀の都合で戯作者、版元はもちろんのこと板木の彫師にまで罰せられるとは穏やかじゃない。腕利きの彫師だった父親を持つおせんは女手ひとつで貸本屋を営み、高 荷を背負って江戸の町を巡ります。その先々で本にまつわる謎に遭遇する2025/05/23

Y.yamabuki

18
気が強くて、したたか。二親を失くした若い娘が江戸で生きていくには、これくらいじゃなきゃ なのだろう。けれど意外と情が有る。そして本に対する思いは一本筋が通っている。危なっかしいから、幼馴染みの登君、邪険にされても付いててあげてね。2025/07/22

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