内容説明
海の家でひと夏アルバイトをすることになった大学生の海夏人。灼熱の太陽のもと、ひたすら焼きそばを作る機械と化すが……(「夏の鉄板前は地獄」)。震災で夫を亡くして以来、孤独に生きてきた冬美。スーパーで万引きしようとした空腹の小学生に、夫が好きだった豚汁をふるまって――(「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」)。巡りくる季節と人と命をつなぐ、とびっきり美味しいごはんの物語。個人経営の飲食店を舞台に、美味しい料理と温かな人間模様をオムニバスで綴ってきた人気シリーズの第三作!
目次
YOLO
おむすび交響曲・第一楽章~春のソナタ~
夏の鉄板前は地獄
おむすび交響曲・第二楽章~夏のアダージョ~
サンクス・ギビング
おむすび交響曲・第三楽章~秋のスケルツォ~
マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン
おむすび交響曲・最終楽章~冬のロンド~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
91
シリーズ第3弾になりますが、前作読んでないと読めないワケではないので本作からでも全然大丈夫です。で、こちらの作品、完全にヤラれました。久しぶりに純度100%の涙腺崩壊なヤツです。4編からなる連作構成ですが、それぞれの話に見事なドラマがあり、インターバルで綴られるおむすび屋さんの話とのリンクも見事でした。読んでて困ってしまうのは、とにかくお腹が空いてしまうコトとしっかりと涙がじんわりと出てしまうコトですね。こういうの読むとコンビニのおむすびじゃなく、弁当屋さんとかのおむすびが食べたくなってしまいますね。2025/07/27
machi☺︎︎゛
76
シリーズものとは知らずに作者買いした本。でも一作目は既読だったし他の本にも出てくるおむすび屋の話も出てきてめちゃくちゃ良かった。人間関係と美味しそうなご飯の描写が丁寧で食べ物を挟み人と人が繋がった時、心から良かったーと思えた作品。順番関係なく読めるし二作目も読みたい。2025/07/18
ままこ
72
シリーズ3作目とは知らずに読んだけど楽しめた。季節を巡る人と食が結ぶ人間ドラマ。地道な努力が苦手だった綱木が本気で挑んだ『史上最強オムライス』食べてみたい。彼にも春が来るといいな。灼熱地獄の海の家でのブラックバイトの話は予想外の展開で清々しく面白かった。豚汁の話は老女の冬美の孤独さにしんみりしてたけど、過去を辿るうちにラストは温かな気持ちに包まれる。それぞれ名前も季節にちなむ。おむすび屋は選ぶ楽しみがあるのも良いな。〈誰かのために〉が巡りめぐって自分にも跳ね返る。心が自然と満たされていくおいしい物語。2025/06/12
Karl Heintz Schneider
72
「本日のメニューは?」「できたてごはんを君に」に続くシリーズ第三弾。どうやら2年ごとに刊行されるらしいこのシリーズ。どの話もヨダレがたれそうなほどおいしい描写がたまらない。第一話 YOLO?そうか!そういう意味だったのか!第二話「夏の鉄板前は地獄」まぶしいぐらいの青春譚。むしょうに焼きそばが食べたくなる。肉なんかちょっとした入ってなくてキャベツも野菜クズみたいのしか入ってなくてとどめは真っ赤な紅ショウガときた。でも、それがいいんだなあ。2025/05/30
papapapapal
48
シリーズ3作目、やっぱり好き♪ そこそこ繋がってるので全巻揃えて読み直したい! 食に纏わる短編4つとそれぞれの+α。我流料理人の意地とプライド、バイトくんの意識が変わる瞬間、命を頂くことと職人の職人たる所以…どのお話も甲乙付け難い。子も親戚もおらずひとりで夫の五十回忌法要を済ませた老婆、寂しいけどそんな人生もあるなぁと読み始めたけど、いやいや寂しいなんてとんでもない! 必要に駆られて豚汁を作り続けた彼女の奇跡みたいな物語は、そのまま映画になりそうなくらいパワフルで刺激があって感動的。めちゃくちゃ良かった!2025/05/07
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