内容説明
恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い中の宇治とは3月で会えなくなることを知り……。恋・お金・家、彼女が選ぶ人生とは。創作大賞2024(note主催)朝日新聞出版賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
68
女性用風俗のセラピスト宇治に恋をしている由鶴(ユズル)。39歳。貯金は1000万ある。友人が家を買った。自分も家を買おうかどうしようか?悩んでいる。スタバで「Mサイズのコーヒーください」という由鶴。でもいつもはユニクロなのに、最後だからとミモザ柄のワンピースを着ているところは、切なくてグッときた。ハグじゃなくて握手でさよなら。何歳になっても恋はしたい。そんな、ふんわりしたストーリーで良かった。2作目の、宇治の話も良かった。京都弁だからなのか?のんびりゆったりした雰囲気があり良かった。2025/07/03
えんちゃん
62
これも良かった。39歳・独身・パートナーなし・貯金1000万・風俗を利用する会社員女性と、風俗でバイトをする男性の物語。ともすれば自虐や配慮の題材になりそうな主人公の満たされない生活を、ふんわり肯定してくれるかのような優しさを感じる。ユズルは幸せを感じていて欲しい。TLで知った初読み作家さん。会話のテンポと言葉選びにセンスが光る。きっとこれから読メで人気が出そうな新人さんだと思います。要チェック!2025/07/24
ヒデミン@もも
39
青山エリさん、初読み。詩的なタイトルと美味しいそうな無花果の装丁に惹かれて手に取った。久しぶりにビンゴ。帯からはちとハズレな感じがし、読み始めたら風俗の話し? なんか、タイトルと装丁に合わへんけど、と思ったが、切ないけどユーモラスな物語に心を奪われていく。大阪出身の作者の関西弁は間違いない。どこかにツッコミも入るところも。宇治の未来の話しをまた読みたい。脳内で勝手に宇治は佐藤健に、由鶴は江口のりこに、多部ちゃんは多部ちゃんに変換されてた。2025/09/10
papapapapal
37
青山ヱリさんのデビュー作と、その対になる作品の2篇を収録。女性用風俗のセラピストに淡い恋心を抱く39歳のユヅル。実家には両親と兄夫婦が暮らし戻ることは出来ないが、家を買うだけの貯金は有る。ひとりで生きていくかもと想像しつつ、誰かと繋がりたい気持ちも大きい。客とセラピストという立場では対等な関係になれないことも分かってる。大人としての分別もある。そんな彼女の、どうしようもない心許なさや純粋さが切なくて、人知れず彼を思うラストシーンは泣きたくなった。2026/01/02
桜もち 太郎
23
39歳独身の女性、貯金は1000万円。そんな由鶴は女性用の風俗のセラピスト宇治にお世話になっている。これといって山のない物語。ふとなぜこの場面が必要なのかとか思うところもある。3月で宇治ともう会えなくなる喪失感からか、家を買う決意をする。自分がいる居場所、いなければいけないところを見つけたのかな。もうひと作品は、セラピスト宇治の物語。生き別れた母親に贈る「ゼログラムの花束」が切なかった。こちらの作品も「赤ちゃんプレイお化け屋敷」のくだり、いるかなぁと思ってしまった。それにしても人生ってままならないな。2025/07/23




