内容説明
チャールズ青年は何故かくも奇怪なる変容を遂げたのか。時空を超える魔術小説にして背筋も凍るミステリ、邪神も見え隠れする長編「チャールズ・デクスター・ウォード事件」。英国の廃修道院を舞台に描かれる怪奇短編「壁の中の鼠」。そして「インスマスの影」の後日譚「戸口にいたもの」。人類が決して見てはならぬ光景を目撃してしまった作家、ラヴクラフト。クトゥルー神話に留まらぬ傑作六編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
100
南條竹則先生の訳によるラヴクラフト作品集の第4作目です。ラヴクラフトは好きで創元推理文庫の全集や現在刊行中のコミックも読んでいます。他の作品でも言っているのですが南條先生の訳は読みやすいのですが、さらさら読むことによって若干怖さが薄れるような気がします。ここには5作の短篇と長編の「チャールズ・デクスター・ウォード事件」の長編が収められています。短編では「壁の中の鼠」と「戸口にいたもの」が印象に残りました。長編も様々なラヴクラフトのクトゥルー神話の骨頂のような気がしました。2025/04/30
おにく
29
サバトのような背徳的な儀式が、世代を越えその子孫に影響を与えることがあるだろうか?古代であれば、一族の中で近親結婚を行い、その子孫の肉体や精神に影響を及ぼしたり、ひょっとすると記憶の定かでない幼い頃、肉親のサバトを見てトラウマを植え付けられた事が原因になるかも知れない。こうした人間の狂気を描いたラヴクラフトの味わい深い短編が揃っています。"チャールズ·ウォード事件"で、事件の果てに失踪する青年チャールズは、現代のゲームやネットにハマる現代人を見るようで、彼が闇に引き寄せられる様に親近感を感じてました。2025/06/19
まさ☆( ^ω^ )♬
7
創元推理文庫で読んでいたがすっかり忘れていた。ほぼ初読と言っても良いくらい楽しめた。クトゥルー神話にかかわるワードがふんだんに出てきてラヴクラフトの世界を堪能した。相変わらず字がみっしりなので、気合入れて集中して読まないと直ぐ分からなくなっちゃう。密度の濃い物語に大満足でした。2025/05/12
ひびキング
3
この新潮文庫のオリジナル集も第四段。定期的にラブクラフトの文章に挑んで想像力を競うことで他の読書も充実すると言えよう。表題作の長編は文書量も多いから少し易しいぞ。インスマスと繋がる「戸口にいたもの」もそういった意味では勝負できる。2025/07/01
iwasabi47
3
新訳は読みやすく、作家の意図も把握し易いかな。この先の南條訳はあるのかな?ドリームランドもの読みたいけど。2025/05/06
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