新潮文庫<br> 天路の旅人(下)(新潮文庫)

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新潮文庫
天路の旅人(下)(新潮文庫)

  • 著者名:沢木耕太郎【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 新潮社(2025/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101235394

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内容説明

三年の月日をかけて中国北部からチベットまで辿り着いた西川は、インドへ向かいそこで日本の敗戦を知る。密偵の任務は失うが、それでも新たな世界への探究は止められなかった。ヒマラヤを幾度も超え、さらにさらに奥へ。しかし旅は突如終わりを告げる。西川が著した三千二百枚の生原稿と五十時間に及ぶ対話をもとに、未踏の地に魅せられたひとりの旅人の軌跡を辿る、旅文学の新たな金字塔。(解説・石川直樹)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ふう

69
旅はヒマラヤへと入り、ヒマラヤを越え、インドへと続いて行きました。登山装備があっても過酷な峠越えなのに、ボロボロの靴で重い荷を背負い、野宿しながらの旅。雪山の神々しさに力をもらいながらも旅は苦行であり、生きることの意味について深く考えさせられるものだったと思います。『好意をよせてくれた人に深く感謝し、全力で応じようとする。それも言葉ではなく身を粉にして極限まで働こうとする。懸命に働き懸命に勉強する日々。それはとても幸せな日々。』そんな旅が意にそわぬ形で終わり、西川は寂しかったはず。わたしも寂しかった⋯。2025/06/09

Shun

35
当時の日本人でチベットまで足を踏み入れた者は数少なく、かつ中国側から山脈を超えての到達となると難度が非常に高いルートであった。西川は長く険しい旅路を経て遂にチベット入りを果たす。ヒマラヤ山脈からの眺望は困難を超えた者だけに与えられる贈り物として西川の胸に刻まれる。そうして密偵の責務よりも困難な路を踏破する喜びに突き動かされた男はインドへも至り、さらに先のアフガニスタンへと目を向けるが情勢は変わって遂に身許が発覚してしまう。幾度もの困難を乗り越えるその姿に人としての大事なものを教えられたような気がします。2025/05/06

Toshi

34
ラサに到着した西川だったが日本敗戦の報を聞き、その真偽を確認すべくカルカッタを目指す。途中カリンポンでかつての同僚木村肥佐生と出会い敗戦を確認するが、西川は密偵としてではなく、自らのために旅を続けることを決心する。 西川自身による「秘境西域八年の潜行」は、多分僕には手が負えない大長編であり、帰国後の西川の人生も含め、沢木が上下2巻の読み物にまとめてくれたことを感謝する。そしてふたりの旅路が交差する美しいエンディング。解説は写真家で冒険家の石川直樹。2025/07/12

やな

30
壮大な話でしたね。何故か一緒に旅をしているような錯覚に陥りました。もう少し読んでいたかったですが、突然旅は終了してしまう。その後の人生も興味深く。また、しばらくしたら再読したいと思います。2025/08/08

しーふぉ

24
上巻の感想で西川一三、本人が書いてあることを沢木耕太郎がノンフィクションに仕立てる意味とは⁈と書いたが、やはり本人も自問自答していたようであとがきに書いていた。密偵として潜航しているのに敗戦を知ってもなお帰国しないというのが、根っからの旅人なんだろうな。逆に日本で仕事を始めてからは、仕事を休まず旅にも出なくなるのも不思議。2025/09/12

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