内容説明
80年前の3月10日、東京にいったい何が起こっていたのか? 永井荷風ら作家が記録していた東京大空襲の壮絶な体験を紐解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
81
昭和20年の東京大空襲。作家や評論家他が体験したその様子が書かれた本の中から抜粋したもの。半藤一利さんの体験談は以前読んでいたが、相当ひどかったことがよくわかる。死者数で比較するのは失礼だが2011年の東北の地震の時は死者2万人、この空襲では10万人。落とされた爆弾も焼夷弾がほとんどと言われていたが普通の爆弾も多かったこと、熱というのはある温度になると白熱と言って自然発火すること。文人たちの多くの書物や資料も焼けてしまったという。実際にB29の残骸を見た人は、これでは負けると確信したという。図書館本2025/05/17
Willie the Wildcat
62
筆力故の(皮肉にも)豊かな表現力が描く戦争の現実。正に、価値観・既成概念を超越する地獄絵。様々な形状の遺体や、人体から溶け出した脂などが齎す「感情の真空状態」。母の遺言を経て”23年の歳月”を必要とした宗左近も、究極のその一端。自然との対照性、「鳥も鳴かない、青い草も見えない本郷」vs.「谷中で咲き誇る満開の桜」。戦争を繰り返す人間の愚かさを暗喩した感。多様な”覚悟”のエピソードの中、向田邦子の父の「最後の晩餐+昼寝」の件は印象的。昭和の”威厳”を保ちつつ、親の本質を垣間見た感。2025/09/20
たまきら
36
わが国の総理大臣による台湾有事発言があり、中国外務省が発言の撤回を求め、「さもなければ、全ての結果は日本が負わなければならない」と言っている中、東京大空襲を体験した作家たちの言葉を読みましたー平和でなければ読めない、書けないものを。超地元の半藤さんをはじめ、読んだことがある人も多かったけれど、まとまって読むとやっぱり個人だけではない、「時代」や「世相」をくみ取れます。…ルメイへの勲章を、昭和天皇は親授しなかった。…佐藤栄作首相だったんですね。2025/11/15
ちさと
24
昭和20年、10万人の犠牲者を出した東京大空襲の下、文士達が日記や随筆に書き残した戦争を届けたもの。内田百閒は番町に、山田風太郎は目黒に、堀田善衛は洗足、坂口安吾は蒲田、古川ロッパは下落合に、半藤さんは向島にいた。 3/18、被災地に巡幸した昭和天皇をばったり目撃した時の堀田善衛の苦悩にとても共感した。小説家の日記は嘘ではないけれど、いつか読者に読まれることを想定した、やはり小説に近いものになると思う。でも堀田のこの日の日記には「本心」が書かれている気がした。2025/06/16
hippos
18
広島・長崎への原爆投下はもちろん、日本の主要都市への空襲は(軍同士の)戦闘でもなけれな軍事施設への攻撃でもなく、市民を狙った「非人道的」な行為。「戦争を早期終結させるため」という米国の主張は強弁で実は米国自身もそのことを自覚しているのだと思っていた。しかし、本書のルメイ少将の章を読み、また先のトランプ大統領の発言を考えるともしかして本当にそう信じているのか?と思うに至った。まったく恐ろしいことだ。 母親を見捨て逃げるしかない状況、父親が目前で撃ち抜かれる、地獄である。2025/07/08
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