出版社内容情報
艦底はそのまま「時代の底辺」でもあった。「戦争」というものを下から、底から、覗いたのだ。
『海軍めしたき物語』で描かれた海上勤務を経て、著者は命からがら帰国。次の赴任先は「神風特攻隊」で知られる串良航空隊だった。算盤片手の経理仕事に奔走する日々のなか、次第に戦況は悪化していき、串良にも敵機の影が――。非戦闘員の著者が見つめた、終戦と「その後」を描く、唯一無二のイラスト・エッセイ集。
【目 次】
まえがき
サイゴン海軍病舎にて
陸軍サンと海軍サン
殴れる者と殴れざる者
落ちた話
タイヘイヨウナミタカシ
調子に乗り過ぎた話
上官の顔、同年兵の顔
一膳めし
銀めしのお化け
一年過ぎればタダの人
皮膚の色
お嬢さんの足型
刺繍入りの枕カバー
オンナを乗せた軍艦
水虫の秘薬
冬の夏服
ソロバンの出来ない下士官
主計長の発作
知らぬが強兵
嵐の前の飛行兵
隊員が一名足りない!
飛び入りビンタ
蚊の血判状
終戦直後のビンタ
荷馬車をひく海軍兵
台風に遭う
魚干し場に置かれた軍馬
海軍からの呼び出し状
海賊船呼ばわりの復員船
吊し上げられた主計科
最後のめしたき作業
あとがき
解説 田辺聖子
中公文庫版解説 武田砂鉄
【目次】
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- 和書
- 「非」常識の経営