内容説明
美しく才能にめぐまれたクリスタルは,バレリーナをめざす少女.でも,舞台で賞賛されるのはなぜか,放ったらかしで育った弟のドゥーンばかり――自意識に葛藤する姉と,孤独をかかえながら才能にみちびかれる弟.困難にぶつかりながらダンサーを目指す二人の十年間.『バレエダンサー』として愛された物語の新訳.
目次
登場人物紹介
木曜生まれの子どもたち
前奏曲
第Ⅰ部
バレエ用語集
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
泉のエクセリオン
10
バレエダンサーを目指す天才ドゥーンと秀才クリスタルの物語。自身もダンサーであった母親モード・ペニーは待望の女の子であるクリスタルに、自身の夢を託してしまったために溺愛してしまう。そして、子どもの成長に合っていないダンスを強要してしまう。その結果、愛する娘にコンクールで大っ恥をかかせた挙句、バレエを踊る上での後遺症を残すという、親の愛の光と闇を描いているように感じた。又、ドゥーンに関しては家族の理解がなく、扱いが雑など環境が良くないが、フェリクスさん、エニス・グリンなど周りの大人が手を差し伸べるのが暖かい2025/06/07
timeturner
8
読み始めたら止まらない。ゴッデンのバレエ物はどうしてこんなにワクワクさせてくれるんだろう。映画「リトル・ダンサー」に似てるけど、男の子がバレエをすることを嫌がる男親よりも娘を甘やかし末息子をネグレクトする母親が酷い。ドゥーンは環境に潰される天才になるのか……。2025/03/29
鳩羽
5
ペニー家に生まれた待望の女の子クリスタルは、他の男兄弟に差をつけて母親にたっぷりと甘やかされて育つ。末っ子のドゥーンは放置され、ドゥーンは下働きのベッポに軽技を教わったりブランコを作ってもらい遊んでいた。クリスタルの通うバレエ教室にドゥーンもついて行くが、やがてドゥーンはダンスと音楽に夢中になり…。親に構われない子の方が才能と運があり、少しずつダンス人生を切り開いていく切実さに胸を打たれる。完全な悪役にはならないクリスタルだが、家族の事なので一朝一夕に解決もしない。愛情と才能の偏りがどうなるか気になる。2025/04/06
ぴっちゃん
4
幼き日に読んだ少女漫画みたいな。溺愛されるクリスタルに比して、両親ばかりか次兄以下3人の兄たちにも蔑ろにされるドゥーンがかわいそうすぎて。しかし才能あるドゥーンには、家族以外の大人が手を貸して、その才能を開かせていく。長兄ウィルがペニー家にいて良かった。2025/06/04
いまちゃん
3
美貌とバレエの才能を持った姉のクリスタルと、ネグレクト気味に育てられたが、バレエの天才的能力を発揮する弟のドゥーン。「ガラスの仮面」のあゆみとマヤみたい。しかし、同じ家にいたらたまったもんじゃないよな…。嫉妬で狂いそう。2025/04/16
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