内容説明
日本史上の「悪人」24人を取り上げた評伝の大著『悪人列伝』から、「大河ドラマ」でも異彩を放った7人を選ぶ。著者は、情緒を排し史実(多くの史資料)に立脚した史伝を確立した作家。その背景には司馬遷『史記』をはじめとする中国史書への深い造詣があった。自らも大河ドラマ2作の原作者(「天と地と」「風と雲と虹と」)であった著者の人間的な史眼により、「悪人」たちが生き生きと甦る。
「本編の主人公兼家の生涯も、権力闘争以外には何も目ぼしいことはないのであるが、その手段が悪辣陰険をきわめているので、おもしろいのである」……藤原兼家
「(田沼は)大悪人ではなかろうが、結果的には大悪人とひとしいことをしたといえるであろう。人それぞれの好悪があろうが、こんな不潔な人間は、ぼくはきらいだ」……田沼意次
〈解説〉ペリー荻野
目次 *( )は、登場する主な大河ドラマタイトル
藤原兼家(「光る君へ」)
北条政子(「草燃える」「平清盛」「鎌倉殿の13人」)
北条高時(「太平記」)
日野富子(「花の乱」)
松永久秀(「麒麟がくる」)
徳川綱吉(「八代将軍吉宗」「元禄繚乱」)
田沼意次(「べらぼう」)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SAKU
3
井沢元彦氏による『逆説の日本史』に度々名前が登場する歴史小説家の海音寺潮五郎氏による日本史上の人物に対する人物評。一人一人、その生い立ちから詳しく書かれている。タイトルには悪人とあるが、読んだ感じでは極悪人と言える人物は少なかった。この人物評はシリーズ化されているのだろうか?ほかも気になるので読んでみたい。2025/07/25
Ryoko
1
面白かった。多分若い頃に読んだと思うが、覚えていないということは難しかったのだと思う。日本歴史上の悪い評価の権力者7人について時代背景、何をした人物か、そして、その人となりが真実に近い形で書かれている本。時代背景、誰が誰の息子で誰と誰がいがみ合っててなどの関係性が難しかったが生死が一瞬で変わる歴史は面白い。でもやはりややこしくて難しくて読んでる時は面白くても読み終わると、やはりその人物がした悪い事は忘れてしまう(笑)人物のタイトルに、こんな悪い事をした~とサブタイトルがあれば良かったのに。2025/04/20