内容説明
何気ない江戸の片隅の日常。かけがえのない日々と人の営み。いまの日本人が忘れている心がここにある。失意の内に夫を亡くしたおしげが、息子が江戸払いになり、婚家に離縁された娘おけいと共にひっそりと始めた一膳飯屋。ここには、美味しいごはんと、人の温かさを求めてさまざまな人間が訪れる。『裁判官 三淵嘉子の生涯』が大ヒットの著者、涙なくしては読めない涙腺崩壊のシリーズ、感動の第五弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
71
シリーズ第5弾です。タイトルにあるように'わかれ'がテーマ。かといって全体的にシリアスなワケではなく、一膳飯屋『しん』の女将「おしげ」と若女将「おけい」の温かい雰囲気とやりとりで作品の安定感をしっかりと保ってくれています。本作は1人の女の子「あかね」を中心に話が展開します。10歳の女の子が年齢以上に随分としっかりモノで、どういう経緯か酒問屋の隠居「彦兵衛」と同居することに。ちょっとひねくれモノの彼が何かしら「あかね」と接していくうちに少しずつ変わっていきます。当然、先が続くようで今から楽しみすぎですね。2025/01/22
タイ子
68
シリーズ第5弾。今作は3家が織りなす人情物語。江戸は隅田川沿いの橋場の近くで母娘が営む一膳飯屋「しん」。板前の平助が病気で寝込み、弟子の健志郎が一回り成長していく。2軒目は酒問屋の隠居・彦兵衛、いつも屁理屈ばかりの老爺。ある日、彼の前に現れた一人の少女。最初のいざこざから次第に祖父と孫娘のように暮らすようになる。だが、幸せな日々は長くは続かない。3軒目は医者の幻庵の家。3家に住む人たちがどこかで誰かと繋がって行く。あー、すぐ側に居るのに…。そして、絡んだ糸がほぐれていく。血は繋がらなくても縁が繋いでいく。2025/01/26
onasu
12
「名残の飯」5巻目は、そもそもの懸案・江戸所払いになっている新吉にまつわる初めての長編で、舞台が一膳飯屋「しん」の他に、医師幻庵宅、気難しい隠居彦兵衛宅と、最初はちょっと戸惑ってしまう。 結局のところ、またしても新吉とはニアミスなんだけど、それに絡んで登場するのが10歳のあかね。一時は新吉と暮らしていたといい、「しん」の母娘とも顔を合わせていたが、育ちに恵まれず、こちらでもまた…。 それにしても分からないのは新吉の思惑(?)。冒頭も今ひとつだが、この作品は馴染みの店のようで、次に行く折も楽しみだ。2025/02/20
goodchoice
1
もう五作目なのだが、どうも話のつながりが思い出せず、筋立てがすっきりしないのが悩みか。2025/02/22
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