内容説明
岑国には皇子のための後宮――煌華宮があり、通称”華園”と呼ばれている。4年前、春璃のたった一人の家族である姐の朱夏は、国から宮女に選ばれ、妹のためにと後宮入りを決めた。だが一年後、春璃は姐の訃報を受け取る。その死を信じられぬまま17歳になった春璃の元へ、自分もまた宮女に選ばれたという書簡が届く。姐が生きていると信じて華園へ向かう春璃だが、そこは身分によって衣が色分けされた宮女たちの世界で、嫉妬や権力争いが渦巻く”檻”だった……。春璃は華園の最高位、黒女・玉瑛が姐の真相を知っているのではと疑いを抱き……?
感想・レビュー
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鳩羽
2
四年前に宮仕えした姉・朱夏の訃報を信じられずにいた春璃の元にも、宮女への案内文が届いた。春璃は姉の生存を信じて、宮女になるために都へ赴く。役職が厳しく定められた新しい後宮、煌華宮での生活を始めた春璃だが、宮女のトップに立つ黒女の玉瑛の権力は大きく…。登場人物も、彼ら彼女らが背負うものも多いが、話に勢いがあってぐいぐい読ませていく。細かい文章が気になるのと、人物が予想通りの動きしかしないのが、若い人向きなのかもとも思った。自由で現代的な考えを持つ娘ばかりなので、後宮が成立しなさそうだなと余計な心配を持った。2024/12/03