- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
2024年5月、惜しまれつつ閉店――。伝説の書店をモデルにした、仕事と人生に効く「感動のノンフィクション&ノベル」! なんとなく社会人になった、出版取次の新入社員・大森理香。悩んでいた理香を上司が連れていったのは、わずか10坪しかない町の小さな書店だった。この書店の店主・小林由美子との出会いをきっかけに、理香の仕事と人生への考え方が少しずつ変わっていく――。店主と出版取次・新入社員との心温まる交流と成長ストーリー。文庫版は、書き下ろし「5年後、あの日の続き」と解説(社納葉子・ライター)が加わりました。 「『そもそも、私は何で大阪支社なんですか? 何で営業なんですか。どうして大販に入ったかを書店の人にも言えない自分が、何でここにいるんですか? 私より向いている人間いっぱいいたはずです。何で私が大阪で、何で私が営業で、何でこの場所にいるのかがわからないです。教えてください』心にずっと溜まっていたものを一気に吐き出したら、涙がとめどなく溢れ出てしまった」(本書より) 『仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ』を改題し、再編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
昼寝ねこ
139
大手取次会社に入社して大阪支社に配属された東京生まれの新入社員が尼崎の小さな書店(小林書店)の書店主である小林由美子さんとそのご主人の生き方に感化されて仕事人としても人間としても大きく成長していく。PHP文庫だしジャンルはビジネスのカテゴリに入ると思うがそれだけで読むのではもったいない。この本はビジネス本であると同時にエンタメ本であり人情本であり人生の本でもある。登場する新入社員と会社関係者はフィクションだが小林書店の関係者は実在する。町の本屋さんにはまだまだ可能性がある。そう信じさせてくれる作品だ。2025/05/26
エピファネイア
110
大手出版取次に入社した新入社員の成長を描いたノンフィクションノベル。そこで語られるエピソードは実在した尼崎市の「小林書店」の女性経営者(由美子さん)が実体験に基づいて語っておられる。このエピソードがどれも素晴らしくて感動する。由美子さんを支えた夫の昌弘さんも素晴らしい。ご夫婦が多くの人から愛されるのにはそれだけの理由があり、またそれだけの努力をされていたことがよくわかる。昨年5月に惜しまれつつ店を閉められたようだが今も「コバショ」として地域の人が集まる場を提供されているとのこと。頭が下がる。お勧めの1冊。2025/02/02
となりのトウシロウ
97
出版取次会社に入社した新人・大森理香。最初に配属されたのが大阪支社営業部。初めての縁もゆかりもない土地で何となく就職した会社で仕事に悩んでいた理香を上司が連れて行ったのが尼崎の小林書店だった。店主・小林由美子さんとの出会いが理香の仕事への向き合い方を変える。実在の書店と店主ご夫婦をモデルにしたお話。作中、由美子さんが語るエピソードはノンフィクションだそう。旦那さんの昌宏さんの言葉は感動もの。仕事への向き合い方が変わった理香が頑張る姿も良い。素敵な本に出会えたことに感謝。2025/07/06
Karl Heintz Schneider
57
「できるだけ人に会わなくていい仕事がいいかな。」秘かにそんなことを願っていた新入社員の大森理香が配属されたのは大阪支店営業部。上司から連れて行かれた町の小さな書店との出会いが理香の仕事への考え方を変えてゆく。何だろう、読んでいてワクワクが止まらなかった。店主の小林由美子さんがとても魅力的でパワフル。田舎の小さな町の書店でありながら、とんでもない数の本を売ったり、作家を呼んで講演会を開いたり。やがてその「熱」は理香にも伝染し彼女もまた数々のイベントを成功させる。その過程を読んでいて鳥肌が立った。2025/02/25
ぼっちゃん
53
出版取次の新入社員が伝説の小さな書店の女性店主と出会い成長していく物語。人気の新刊コミックが入ってこないなら、入れてもらえるようにその出版社の全集を100件予約を取るなどした実際に尼崎にある伝説の書店の物語だが、女性店主のどんなことにもトライしていく行動力と夫のどんなお客様にたいしても感謝を怠らないこの二人のお店だらかお客さんに愛され伝説の書店となったのだろう。2024/10/06