内容説明
『サピエンス全史』を超える衝撃――
知の巨人、6年ぶりの書き下ろし超大作
「ネクサス」(NEXUS)とは?
――「つながり」「結びつき」「絆」「中心」「中枢」などの意
石器時代からシリコン時代まで、
「組織」(ネットワーク)が力をもたらす
私たち「賢いヒト」(ホモ・サピエンス)は、10万年に及ぶ発明や発見や偉業を経て、途方もない力を身につけた。
それにもかかわらず、生態系の崩壊や世界戦争など、存亡にかかわる数々の危機に直面している。
*
サピエンスが真に賢いのなら、なぜこれほど自滅的なことをするのか?
その答えは、制御しきれないほどの力を生み出す、大規模な協力のネットワーク――「情報ネットワーク」――の歴史にある。
*
印刷術やマスメディアは文明に何をもたらしたのか?
そして、まったく新しい情報テクノロジーであるAIは、何を変えるのか?――
石器時代からシリコン時代まで、『サピエンス全史』の著者が、人類の歴史をいま再び新たに語りなおす!
情報により発展を遂げた人類は、情報により没落する宿命なのか。本書のAI論は、混迷する世界で民主主義を守るための羅針盤になるだろう。
――斎藤幸平氏(経済思想家・『人新世の「資本論」』著者)
その深い洞察は、私たちが著書『PLURALITY』で提唱する多元的な共創の原理とも響き合い、進化するデジタル時代で人々を導く羅針盤となる。
――オードリー・タン氏(台湾・初代デジタル発展相)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
223
ユヴァル・ノア・ハラリ、4作目です。上巻は、情報の歴史中心です。「魔女への鉄槌」は、史上最凶の情報ツール、最悪のトンデモ本でした。上巻は、一気読み、続いて下巻へ。トータルの感想は、下巻読了後に。 https://www.kawade.co.jp/nexus/2025/05/06
パトラッシュ
201
情報が氾濫する時代に重要なのは、制御ではなく物語る力だとする。ユダヤ教やキリスト教の聖職者、ヒトラーやスターリンは優れた語り部であり、希望に満ちた未来の物語を示して集団のアイデンティティを形成する主導権を握った。しかし自らを不可謬とする語り部は自己修正メカニズムがなく、また一切を人の手で制御せんと望んで機能不全に陥った。歴史的には修正メカニズムを持つ民主主義が勝利したが、新たに生まれた人を超える知性であるAIが人に代わって語り部となるかもという、初めて経験する大いなるネクサス=転回点を迎えたのだ。(続く)2025/04/15
ゼロ
86
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の最新作。AIについての言及から始まるのではなく、上巻は情報テクノロジーに至るまでの歴史を紐解く。そもそも情報とは、現実を表す試みでもなく、何も表してない。それは過去は情報は口頭で伝えられ、技術の発達により紙となり、進化を遂げた。人類の進化に必要不可欠なのは、「物語」であり、この物語への言及は、過去の著作でもされてきたが、ワクワクする内容であった。宗教、聖書、教会…と語られ、解釈の違いがありすぎての旧約、新訳。また魔女、クラーク、独裁、民衆、全体主義。自己修正の限界など盛り沢山。2025/09/07
たま
75
副題(『石器時代からAIに至る情報ネットワーク群の短い歴史』)どおりの内容、面白かった。上巻はコンピューター以前の【情報】。情報=【真実/事実】と考えがちだが、過誤、嘘、虚構も情報であり、接着剤として(神話、宗教、イデオロギー等を想定)人間のネットワークを作り力を与えてきた。ここから文書と官僚制へ、ユダヤ教、キリスト教の正典の編纂(自己修正機能の大切さ)、印刷術の功罪、情報が可能にした民主主義、全体主義の体制へと進む。論点が整理され、印刷術の普及の功罪など例に説得力があり、読んでいて興趣尽きなかった。2025/08/23
天乃ジャック
68
わたしたちが「情報」をどのように伝えてきたかという歴史を様々な角度から紐解いたような内容でした。技術が粘土板から印刷へ進歩する中、正しく伝えることができるようになる一方、自分達に都合の良いように取捨選択し、時には捏造までしてきたことは今も昔も変わらないようです。中でも、キリスト教の聖書や、魔女狩りに関する記述は大変興味深い内容でした。著者は、自らを「賢い」とするわたしたちを「疑わしい」と書いていますが全くその通りではないかと思います。次巻では、AI(エイリアン・インテリジェンス)の影響を探ります。2025/05/31
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