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内容説明
人のことばを理解し、読み書きを習得した雄ネコのムルが綴る自伝と、架空の音楽家クライスラーの伝記が交差する傑作長編。上巻はムルの生い立ちから、友だちのプードル犬ポントとの友情、美猫との恋話など青春時代まで。愛猫家必読! 豊富な訳注と抜群に読みやすい訳文で、奇才ホフマンが放つ、世界に冠たるネコ文学の世界を堪能する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
31
人間の書物を理解でき執筆もできる雄ネコのムルの自伝の形をとりつつ、楽長クライスラーの伝記の反故紙に書かれていたため、印刷所に回った際両者が混在して印刷されてしまったという、いろいろな意味で突拍子もない趣向で書かれた小説。ムルに即していうと、上巻はムルの生い立ちから青年時代まで。その飼い主が目をかけている音楽家クライスラーの物語が幾度も差し挟まれる。特に後者は物語の先を仄めかした部分で途切れ、ムルの語りに戻るため、読書ペースはつかみにくい面もある。ムルの恋は破れ、クライスラーは危機に陥った模様。ここで下巻へ2025/04/10
フリウリ
17
ネコのムル君が自ら筆をとる「人生観」を印刷したところ、その原稿には、別の反故原稿(ムル君の飼い主である宮廷楽士クライスラーの自叙伝)が混じってしまい、2つのストーリーが交互に進むことになってしまいました、という編集者によるお詫びから始まる小説。「なんでもあり」の文芸ジャンルとして始まった小説の真髄(=遊び心)が、徹底的に発揮されているのがすばらしい。内容は、18世紀の啓蒙思想を継承したドイツ・ロマン派の芸術・世界観が基盤になっていますが、その理屈はともかく、この「遊び」に出会えただけで、幸せです。92025/08/23
アドソ
16
ホフマンの新訳がと飛びついたはいいものの、「ブランビラ王女」が全く意味不明というトラウマもあり、なかなか読み出せず。ネコのムル君の自叙伝と、その間に楽師クライスラーの伝記が挟まれるという奇天烈な構成。しかもどちらかといえば後者の割合が多い。これはまたトラウマ級かと思いきや、以外にも読んでいて飽きがこない。しかも上巻終盤はにわかに面白くなる展開で、はやく下巻が読みたくなってしまうから不思議。2025/01/27
ハッカ飴
13
漱石先生の「吾輩は猫である」と重ねながら読みました。「吾輩」は猫を通して人間のありようを観察、説いているようでありますが、このムル君は哲学、芸術語る、語っています。こうした猫目線で(ってホフマンの目線であるわけですが)、人間世界のいろいろを眺めてみるのが楽しかったです。芸術や音楽の知識、いわゆる教養がない私には理解できなかったところも多いのですが。下巻に行きます。2025/01/24
みのり
6
シューマン弾きなら避けて通れない、クライスレリアーナの元ネタと言われている小説。岩波文庫で絶版になったものを探し求め必死で読んでいたが、読みにくくて困っていた。ムルパートは漱石の吾輩は猫であるの元ネタらしく、出だしもかなり似ている。こういうものを読むと、日本文学はドイツ文学の影響が現れてるのを強く感じる。2024/09/23
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