内容説明
舞台は東欧のどこかにある小さな国。ここでは時折、スターリクという氷の妖精たちが棲む異世界への道が開かれる。
ミリエムは16歳、金貸し業を営むユダヤ人の娘。気弱な父親に代わって、ミリエムが村の家々を回って借金を取り立てると、少しずつ金が貯まるようになってきた。「魔法のように金を生み出す娘」という評判が広がる。そんなミリエムの前に、ある日、スターリクの国王が訪ねてきて「この銀を金に変えろ、そしたら王妃にしてやる」と、無理難題を押し付けてきた。
ワンダは貧しい一家の娘。母を亡くし、大酒飲みの父親と、二人の弟とともに暮らしていた。借金の返済ができなので、ミリエムの家で働きながら、少しずつ金を貯めていた。ある日、姉弟は酔っ払った父の暴力を避けようとして、謝って殺してしまう。そして、姉弟たちの逃亡生活が始まった。
リアルな世界と冬の異世界が交錯する美しいファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
68
大好きな中世東欧が舞台のファンタジー。金貸しの娘・ミリエムは「銀を金に変える娘」という評判が。氷の王国のスターリクにすべての銀貨を黄金に変えよと難題を押し付けられる。貧しい農家の娘・ワンダと公爵令嬢・イリーナ、勇気ある女性たちが魅力的。面白い!感想は下巻で。2020/04/08
ぽろん
30
賢い二人の娘、はたして、今の境遇から逃れる事が出来るのか⁈下巻早く読まねば!2020/06/14
星落秋風五丈原
28
複数の語り手による一人称視点の物語である。自らを“あたし”と呼ぶユダヤ人のミリエムは、気が弱くて取り立てができない父に代わり皆の矢面に立つ。彼女の前にスターリクの国王が現れ「銀を金に3度変えたら王妃にしてやる」と宣言。このスターリクという国の立ち位置がよくわからないが、いずこともなく道が現れ、略奪で身を立てているようだ。娘が金の糸を紡ぐように依頼されるエピソードはドイツのグリム童話『ルンペルシュティルツキン』に登場。2020/07/24
tom
21
著者の「ドラゴンの塔」を読んだ。とても楽しかった。そして、図書館散歩でこの本を見つける。こんな本があったのかと大喜びして借りてくる。ドラゴンとは違う雰囲気。派手な戦闘場面はどこにもない。主要な登場人物は三人の少女。金貸しの娘、酔っ払い父ちゃんに殴られる娘、貴族の美人ではない娘。それぞれが、氷の世界を支配する「スターリク」という怪しげな魔物とつながる。魔法が出てくるファンタジーとしては、かなり異色の展開。でもここからどんな物語が語られるのか。著者の語りだから面白いはずと期待いっぱいで下巻に。2024/09/27
あおでん@やさどく管理人
21
物語は徐々に、異なる国、異なる場所にいる登場人物たちの視点から語られるようになってくる。これらがどう繋がっていくのか、下巻も楽しみ。2023/03/04
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