内容説明
イリーナは成り上がり公爵の令嬢。器量よしではないが、稀少なスターリク銀の装身具を身につけると、不思議な美しさを放つ。美しい皇帝のもとに嫁いだが、その皇帝には魔物が取り憑いていた。
スターリクの王国にとらわれたミリエムと、恐ろしい魔物と対峙しなければならないイリーナ。
苦境に立つ娘たちは、手を結び、知恵を絞り、難局を乗り越えようとする。そして、冬を終わらせるための火と氷の戦いがはじまる。
それぞれの娘たちの物語が、まるで糸を紡ぐように、大きな一つの物語に絡み合っていく、壮大なファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
71
スターリクの王国に連れ去られたミリエム、魔物が取り憑いた皇帝に嫁いだイリーナ、大酒飲みの父親を殺してしまった弟と逃げるワンダ。3人の娘たちの運命が絡み合い氷と火の戦いが始まる。壮大なファンタジー、娘たちは自分の力で幸福をつかみとる。銀を金に変える、その意味は戦いの中で明らかになって行く。面白かったです!ティーンズコーナーにあったので、中学生以上向けかな。2020/04/09
星落秋風五丈原
25
後半は大スペクタクルでした。語り手こんなに増やす必要あった?2020/07/26
あおでん@やさどく管理人
22
それぞれの視点で描かれてきた物語は次第につながり、2人の王と「氷と炎」の戦いに巻き込まれていく。愛するものたちのいる国を守るために使うのは知恵と契約の力。登場するアイテムがきれいに伏線となっていき、戦いとその後の展開へ。難しい部分もあるが、それを補って余りある面白さ。2023/03/09
tom
18
ひたすら欲望に衝き動かされるチェルノボグは燃え尽きてしまった。悪の双璧だったはずのスターリク王は、ほんとうは凛々しく律儀で民のことを大切にする男だった。この分かりやすい、でもちゃんとした物語として成立するファンタジー。なかなかのものと思いながら読む。書中では、ユダヤ人の置かれた世界と彼らの倫理観が尖った形で描かれる。これは珍しい。後書きを読むと、この本の目的はここにあったらしい。書中の登場人物たち(ユダヤ人)は、「契約」を命がけで守ろうとする。命を失っても仕方ないと考える。そうなのかと驚いた。2024/10/05
慧の本箱
17
中々面白い下巻。瀕死の状態の冬の王スターリク、そのスターリクを助けようとするミリエムとセルゲイのやり取り。そしてスターリク王の王国と魔物とのスペクタクルな攻防戦。イリーナが魔物に引導を渡す場面。いずれ劣らぬ男前なミリエムとイリーナに乾杯。めでたしめでたしで読了。2024/11/21




