内容説明
アルメニア使徒教会の殺人事件後に続いた同様の殺人事件。両耳の鼓膜を突き破られ、周囲には、血文字で書かれた聖歌『ミゼレーレ』の歌詞。元警部と薬物依存症に苦しむ刑事というはぐれ者ふたりによって明らかになっていく聖歌隊の少年たちの失踪事件と、殺された指揮者の秘密。彼は、ピノチェト軍事政権下の南米チリから亡命してきたドイツ系チリ人だった。南米のナチ残党と秘密兵器研究、謎のカルト教団のコロニー……。そして明らかになる、捜査権のない二人の驚くべき過去。グランジェの強烈な筆致に読者は翻弄され息を むこと間違いない!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
69
無惨な死体の側に血文字で書かれた美しき聖歌「ミゼレーレ」は何を意味するのか?引退した老刑事と薬物依存症の若き刑事のはぐれ者二人組が不可解な謎に迫るスリリングなミステリ。聖歌隊の指揮者が鼓膜を破られ耳から血を流した死体で見つかり、周囲には子供の足あとが残っていた…。凶器が特定できないまま手がかりを手繰り寄せる2人が辿り着くのは聖歌隊の少年たちの失踪事件とナチの兵器研究、背後に見え隠れする巨大なカルト集団の影。そしてこの凸凹バディが並々ならぬ熱量で事件に執着する理由とは?疾走感あふれる圧巻のストーリーだった。2024/12/16
星落秋風五丈原
41
フランスという国におけるアルメニア使徒教会での事件であり、チリのピノチェト政権から逃げてきた相手が被害者だったことから、先入観として、虐げられた者、マイノリティが殺されたという印象を受ける。本編はこの先入観をうまくミスリードした設定になっている。二人の刑事はそれぞれにトラウマを抱えているが、下巻はヴォロキンの過去が更に紹介される。2024/12/04
Shun
34
次々と提示される新たな情報から事件の計り知れない闇深さに驚愕する。特に悪名高い某国の人体実験の関与が仄めかされてからは、その何らかの研究がこの事件にどう関わってくるのか最後まで気が気でない想いだった。音楽好きのマッドサイエンティストが目を付けた研究対象が本作の鍵となる。さらにフランス国内に居を構えながら警察でさえも実態を杳として掴めない謎のカルト集団の存在。そこに至るにはチリで活動していた拷問指導者や痛みを弄ぶ夜の帝王、そして被験者の証言を辿れ。真相は想像を絶するものなれどこれも人の業であるという悲劇。2024/10/15
stobe1904
29
【クリムゾン・リバーを彷彿させるミステリ】後編に入りナチスの残党、孤立した謎のカルト教団、少年たちの失踪事件のリンクがつながり始め、疾走感が増してゆくところは期待通り。スケールの大きい奇想、猟奇性、そしてバイオレンスの組み合わせにグランジェらしさを存分に堪能できた作品だった。未訳作品も多いので、出版が続くことを切に願うが…。★★★★☆2025/09/23
ばんだねいっぺい
28
なぜ、ふたりが事件にここまで全身でのめり込み執着できるのかは、物語と併せて解説が腑に落ちる。この調子でどんどんと翻訳していただきたい。2024/09/29
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- 電子書籍
- 日本交響楽(1) 満州篇(上) 講談社…




