内容説明
「不思議を不思議のままで終わらせられる、それが怪談の魅力」と語る無類の怪談好きミステリ作家が贈る実話怪談短篇集の第二弾。踏切で遭遇した老女の手を握る奇怪な少女とは(踏切と少女)、病院に響き渡る声の主は?(アコが来たぞ!)、愛猫が急死した意外なワケ(猫が死んだ理由)など、日常のすぐ隣にある怪異を描いた奇妙な実話63篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
123
むふふ…な一冊。常日頃、別館ってつくだけでワクワク心掻き立てられる自分にはむふふ…な63話。子供部屋に渡り廊下に仏間…章タイトルもむふふ…。蝋燭つけて巡りたい気分の別館。子供が出会った、見た怪異はけっこうゾッときた。「公園のトイレ」のノック返しの音の正体。こういうのって子供時代のその瞬間はさほど怖さは感じていなくて、大人になった時に怖さの大波に襲われるんだろうな。ちょっとほのぼのな話、クスリとできる話、シャレにならない話まで、まさに青柳さんは声での語りではなく、筆で語る怪談師。このジャンルが今後も楽しみ。2024/08/10
麦ちゃんの下僕
116
Audible+文庫本。怪談収集が趣味だという青柳碧人さんによる実話怪談集第2弾。前回載せられなかった話&新たに収集した話が9つのテーマに分けて63編収録されています。今回は1~2ページというかなり短い話が多い中で、「猫が死んだ理由」など猫に関する怪異が集められた第二章が印象的でしたね。それから「祖父、ファンキーなり」「大根」やクローゼット(=エッセイ)の「脳みそよこせ」など思わず笑ってしまう話もあって面白かったです。2025/06/05
ミュポトワ@猫mode
101
青柳碧人先生の怪談集、2冊目。今回もゾクゾク怖い話がいっぱいあって面白かった♪やっぱり短編の怪談は良いなぁ。俺はもともとSSが好きな人間だから、文章は短ければ短いほど、好きなんだが、それが怪談だと最高よね!やっぱりホラーよりも短くてゾクってさせてくれる怪談が俺は大好きです!まだまだ怪談は収拾されているとのことなので、是非続編、作ってください。そして面白い怪談を読ませてください♪今回は表紙も怖くて最高です!!2025/01/30
タイ子
96
青柳屋敷・別館に詰め込んだ63編の怪異。怖い実話なんて短いほどリアル感があるってもので、サクサク読める代わりにゾワリ感も感じながら。中にはクスってなるものもあって、怖さと笑いの表裏を改めて感じる。子供関係、猫、病院、仏間、廊下、浴室、書斎、最後によくわからない話でほぐされる感じ。心霊スポットに行って霊を面白半分にかき乱す行為は考えものだ、日常に差しはさまれる怪異が好きなんだという青柳さんの言葉に大いに共感。無事に出入り口に辿り着いたようなので、再訪できるのを楽しみにしています。2024/08/10
ケイト
72
実話なので各々の話が短くて、ゾッとするのもあれば不思議な世界に引き込まれそうな話もある。子供時代の記憶って曖昧だけど、「公園のトイレ」⋯これは体験したらきっとトラウマになるレベル。表題作「踏切と少女」は怖くて早く忘れたい⋯病院で起こる怪異、早く来すぎたおばあちゃんにクスッと笑えた。『視える』という幻覚症状がある疾患と関係があるのではないかと言う話も興味深かった。いずれにしても見間違いではくくれない話が満載だった。2024/09/02




