内容説明
その瞳は暁の如く、未知の世界をその手に。(20)
空に七つの異世界が浮かび、文明は砂海に沈んだ。
異世界直下、武装勢力ストランド・フリートの力の法が支配する世界で、その支配に抗い、ドリル潜航艇で刃向かう少女がいた――その名は、砂漠海賊レイメイ。
ある日、レイメイは敵艦隊から強奪した旧文明の遺物の中で、冷凍睡眠していた少年と出会う。百年の眠りから覚めた彼の名は『月兎』――旧文明の忍者だった。
別の時代、相反する道を生き、交わるはずのなかった二つの道。この出会いが、旧文明と異世界をも巻き込む壮絶な戦いの火種になるとは、まだ知る由もない。
「こんなところで死ぬのは許さん。ゲット。おまえをあたしの夫にしてやる」
自由を求める海賊と、忠義の忍が手を結ぶとき、絶望の海に新たな日が昇る――天穿ち、大海を掘り進む世紀末航海譚、ここに抜錨!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
58
空に七つの異世界が浮かび、文明は砂海に沈んだ。砂漠海賊の少女レイメイは冷凍睡眠から目覚めた忍者少年・月兎と出会う。異世界ファンタジーだが設定はかなりの凝りようで、オリジナリティーが強くSFの香りが漂う。読み進むほどに世界観は深くなり、登場人物それぞれのドラマも味あり。そんな基盤の上に展開するのは、砂の海とはいえ海賊大活劇。レイメイと月兎が互いの能力を活かし連携して戦うのは面白く、バトルシーンも工夫あり。戦った敵が仲間になるのは少年マンガ的。クライマックスは勢いあって読ませる。一冊で綺麗に完結するのも好感。2024/07/30
よっち
29
空に七つの異世界が浮かび、文明は砂海に沈んだ世界。敵艦隊から旧文明の遺物を強奪した砂漠海賊レイメイが、中で冷凍睡眠していた少年ゲットと出会うファンタジー。武装勢力ストランド・フリートにドリル潜航艇で抗い続けて、百年の眠りから覚めた旧文明の忠義の忍を見初めるレイメイ。強引なところもある彼女に最初は反発するものの、快活な相棒として徐々に認めるようになってゆくゲット。彼女と一緒に敵勢力を切り崩していきながら過去の因縁にも向き合って、敵首領ダンテの野望を阻止するために立ち上がる熱い展開がなかなか面白かったですね。2024/07/17
わたー
26
★★★★★面白かった。宙に浮かぶ七つの異世界から降りそそぐ砂によって、文明全てが砂海に沈んだ世界。二代目テンドウ海賊団を旗揚げした少女レイメイは、家族の仇である武装組織からとあるお宝を強奪する。そのお宝の中に眠っていたのは、100年前にコールドスリープしていた旧文明のサイキック・忍者少年で…というポストアポカリプス世界でのボーイミーツガール。まずレイメイのキャラクター性が実に良い。ガサツで下品、イケメンと美女を見るや否や、例え相手と敵対していようがお構いなしに求婚して自分のハーレムに加えようとする、2024/07/24
彩葉 楓🍁
13
【★★★★★】世界観と主人公2人がちょー好き。現代世界で起きた異世界との融合、その約100年後の世界は砂に覆われていた。海賊を名乗る主人公・レイメイとコールドスリープから目覚めたもう1人の主人公・月兎とのバディバトルもの。海賊らしく堂々と威勢を貼る勇姿や言動とは裏腹に弱音を吐いたり涙を流したり乙女な思考を見せたりと年相応な姿にギャップを感じ、何か迷いが生まれた時に直ぐに背中を押してくれる月兎とのバディ関係がとてもアツい。強い少年少女が暴れ回る今巻、世界観戦闘共に描写が素晴らしくのめり込みやすい!!2024/08/09
真白優樹
12
空に浮かんだ異世界が砕け文明が砂に沈んだ世界で、武装組織に抗う海賊の少女が、旧時代の忍者の少年と出会い始まる物語。―――渇望と忠義、重なり生むは悪をも巻き込む力。 あっけらかんと強欲な少女に少年が振り回され、いつの間にか相棒同士になっていく中で巨悪に立ち向かう物語であり、渇いた世界に黎明を告げていく、真っ直ぐに熱量のある物語である。一つ悪を改心させ、仲間を増やして新たな冒険へ。新たな世界へと踏み出していく二人を待っているのはどんな冒険か。この先に待っている者とは。 次巻もあれば嬉しい次第である。2024/07/18