内容説明
黒岩重吾生誕100年企画。「病院」「医療」を背景にした作品は、直木賞受賞作『背徳のメス』(長篇ミステリ)に代表される、黒岩重吾の初期作品の真骨頂。著者自身の戦争体験、戦後の小児麻痺による闘病を色濃く投影し、社会の底辺から、病院に巣くう権力構造、愛憎、欲望、人間の業を描き出す。ミステリ寄りの作品であっても、人間を描くところに妙味があり、また、関西舞台の作品にも味わいがある。以下6篇を収録。「病葉の踊り」「深夜の競走」「法王の牙」「さ迷える魂」「造花の値段」「最後の踊り」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
17
☆4 若い看護婦をふしだら呼ばわりするわりには自分も複数のお水の女に手を付けているアラフィフ(※しかも結婚間近の相手がいる)。余命宣告されて職場の機密文書を盗み、妻子を捨て地方の温泉旅館の20代女中と逃避行する41歳。妻の姪を強姦し挙句口封じのために自分の部下と結婚させた医大教授。1960年から72年にかけて発表された6編には人道的にアウトなおっさんばっか出てくるんだ。当時はそういうものだったとは言ってもなー、ほんと昭和って男尊女卑だよなー。イラつくけど面白かったです。2025/11/18
鷹ぼん
4
いかにも黒岩重吾らしい短編集。『病葉の踊り』『深夜の競走』は、生々しい人間劇で、行き場のない長期入院患者たちの言動や院内の光景が息苦しく感じる。病院内の描写は、さすが長期入院生活を送った作者だけに、その臭いまで漂ってきそう。表題作『法王の牙』は他の収録作とは違い、大学病院内での権力構造を描いている。『さ迷える魂』『造花の値段』『最後の踊り』はいずれもエグイ展開。一言「ひどいなぁ~」と漏らしてしまうストーリーで黒岩重吾の真骨頂。多くの作品にえっちぃ場面が描かれているが、若い女性の身体の描き方が冴えている。2024/07/24
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