時代小説文庫<br> 月草糖 花暦 居酒屋ぜんや

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時代小説文庫
月草糖 花暦 居酒屋ぜんや

  • ISBN:9784758446372

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内容説明

ぜんやに転がり転がりこんできたお転婆姫――只次郎の姪のお栄は大奥に仕えていたのだが、将軍からお手付きとなるのを嫌い、暇を貰って只次郎の許へと逃げていた。家に戻ってもどこぞの武家に嫁がされるに決まっている、と町人になって己の才覚で生きていくことを望むが……。熊吉は熊吉で世話焼きの血が祟り、お花はそれにもやきもき。ままならぬ江戸の世を、若者たちがもがきます。独活の穂先と人参のかき揚げ、桃の節句の手鞠寿司、楊梅の金玉羹、露草で青く染めた砂糖。料理が気持ちを彩る、傑作時代小説第六弾!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しんごろ

179
お栄も武家の娘ではなければ、違った道を歩めたと思うが、これも運命だね。最終的にお栄が決断したことだから、頑張ってほしいと思う。熊吉、ここまで世話焼きだったとは。優しい男だ。この経験が、熊吉をいい男にさせるよ。お花は、まだ恋愛にはウブだけど、まだ気づいてない熊吉への感情と想いが、いつか熊吉に届くと信じたい。お栄、熊吉、お花。若者達がもがいてた。これも経験。青春だあ。今作も美味しそうな料理がいっぱい。ただ只次郎とお妙の出番は少なめ。それは残念だけど、春告堂に明るい未来が見えたね。次作が待ち遠しい。2024/05/31

いつでも母さん

134
花暦シリーズも第6弾!お花も熊吉も、まだまだ危なっかしいけれど、ちゃんと成長してるのが嬉しい。周りの大人たちも決して押し付けず、見守り導く様子が好いなぁ。この先も色んなこと・・一山もふた山もあるのだろうが、どうぞ頑張れと自然と願う読書だった。そして、同じくらいお栄の願いが叶う日がきますようにと祈っていた。早く次が読みたい。2024/06/09

タイ子

103
シリーズ第6弾。今作は子供たちの成長がそれぞれに描かれる。只次郎の姪っ子・お栄。大奥づとめを退いて「ぜんや」に世話になっていたが、武家に産まれた自分の身分と、町人になって自由に生きる道、親の説得で葛藤する姿がいじらしい。片や、薬種問屋で働く熊吉が再度誘われて行った深川の岡場所。そこで身をひさぐ女郎が病だと知った熊吉。やはり熊吉は優しい、優しすぎる。お花ちゃんのジェラシーが何とも可愛い。それぞれの成長を見守る大人たちの眼差しと言葉が優しくも厳しく導いていく。時にウルっとなりながら彼らの未来を頼もしく読了。2024/06/04

おしゃべりメガネ

94
シリーズ第6弾。平和になってきたかと思った矢先にまたもやひと騒動が。お転婆姫こと「お栄」はすったもんだのすえ、とりあえず生家に戻るコトに。僅かな期間とはいえ、なかなかなインパクトを残してくれた姫様の再登場を願うばかりですね。「熊吉」は男前ですが、男前すぎてそれが逆に仇となってしまいます。「お花」ともちょっとした誤解が元で冷戦状態に。今作も最初から最後まで何かとバタバタしてましたが、ラストはとりあえず平穏になって、ひと安心。しかし、この先、果たしてどんな展開になっていくんでしょうね。次作がとても楽しみです。2024/09/06

のぶ

90
安定の面白さでシリーズの新刊を楽しみました。今回はお花とお栄の友情が微笑ましく熊吉の己の無力さに打ちのめされる姿にも心温まる。それと本作では熊吉が、物語の重要な部分を占めていた。世話焼きの血が祟り、お花はそれにもやきもき。あと女郎のお万と懇意にしていて、そのお万に梅毒の症状が出て、仕事をしてはならないと説得するが、自覚症状があまりないので、仕事を休もうとしない。人情が出ていていい感じだった。お妙の出番は本作では少ないが、おいしそうな料理が気持ちを彩ってくれた。2024/05/23

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