内容説明
法の上では存在しないものである「呪詛」や「呪術」は、それがどれほど悪辣なものであっても決して罪に問われることはない。だがもしも呪法や憑物、生霊といった加害者が存在する超常現象に、本当に人を害する力があったとしたら、善良なる被害者は泣き寝入りするしかないのか? そんな理不尽に対抗するため非公式に設立されたのが『警視庁呪祖対策班』--通称「呪詛対」。怪しい響きの通り、警察署でも知る人ぞしる組織だ。家屋の敷地に勝手に(呪いの)土器を埋めた者がいれば、家宅不法侵入並びに器物損壊罪。閉じ込めた蛇に共食いさせ蠱毒を仕掛ける者がいれば、動物愛護管理法違反。怪異を憎むがゆえ、霊的なものを受けつけず、怪異嫌いの堅物刑事の大場と、宮内庁より出向中の元陰陽師刑事の芦屋(と式神の白猫の小春)のバディが、「呪法の悪用」を見抜き、事件として立件!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
65
法の上では存在しない呪詛や呪術による犯罪を立件し、加害者を罰するために非公式に設立された警視庁呪詛対策班。中古ながらようやく手に入れたマイホームの窓につく赤ん坊の手形、出入りのできない部屋に閉じ込められたと思われる座敷ワラシ、犬神の呪いを実行した高校生…怪異嫌いゆえに怪異殺しの異名を持つ刑事・大場と、元陰陽師刑事の芦屋が事件に挑む。正直事件は気分の悪くなるようなものばかりだが、どう立件しどう現行法で裁くのか夢中で読んだ。キャラもしっかり立っているし、式神の白猫・小春がとても可愛い。続編もぜひ読みたい。2024/12/11
papako
46
呪詛とか怪異をどうやって現行の法律で裁くのか。逮捕状をどうやってとるのか。怪奇現象と思ったら悪戯。だけど実は呪詛で、本当にやばい状態になったり。絶対怪異とは認めたくないけどどうにかしないといけなかったり。結構しっかり世界観があって楽しめた。楠木検事がちょっと苦手でうざかったけど。ちゃんと裁く。これ大事。2024/11/08
petitlyz
23
現実には存在しないと思うけど、生活安全課の中に呪詛対策班が地下室にひっそりとある。所属しているのは怪異が嫌いすぎて別のパワーになっている大庭と陰陽師の芦屋。3編のストーリー。呪詛の被害に対して逮捕状の請求はできないので、何かしら既存の法律をあてはめて捕まえる。最後の話は動物虐待があるので、嫌な人もいると思う。そこの部分を除いては楽しく読めた。続編もあるようなので気が向いたら読む。2025/06/05
ジンベエ親分
20
警視庁内の呪詛対策班という、「お堅い官公庁内のオカルトに関与するセクション」という意味では、幽冥推進課シリーズと同じような設定なのだけど…。いや話そのものは面白い。面白いのだけど、あの爆笑と号泣のツボを同時押ししてくるような幽冥推進課シリーズと比べるのはちょっと酷かなぁ。最近は精力的に幽冥推進課シリーズに替わる作品を模索しているような、次作があることが前提のような作品を出版し続けている著者なのだけど、オカルト案件を最終的には現行法で対応する落とし方とか面白いのだけど…幽冥推進課シリーズも再開してよー(笑)2024/04/29
羊山羊
15
【怪異に仕掛けろ、転び公妨!】コレ、アレだ。何で見たかと思えば、公安警察とかが立件しにくい犯行を絡め手でとっ捕まえるヤツだ。やや乱暴なのなら、転び公妨だ。警視庁生活安全課で、怪異の事件を追う「呪詛対策班」の大庭と芦屋の活躍を描く連作集。怪異を使って悪いことをする連中をいかに立件するのか、という発想の1本勝ちみたいな1冊で、行政代執行や廃棄物処理法違反などの絡め手がバンバン出てきてまあまあアハ体験できちゃう。→2024/08/03
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