内容説明
草加冬吾は、手習い所・雀堂の師匠として子らに読み書きを教えている。ある日、深川で料理茶屋の手代が殺された。冬吾の兄で与力の紀一郎はさっそく科人を追うが、冬吾も町暮らしの身軽さを活かし聞き込みを手伝うことに。一方、彼は兄との関係に複雑な思いを抱えていた。二人は双子であり、それゆえ弟の冬吾は世間から隠されるようにして生きてきたのだ――。わだかまりに向き合いながら互いに助け合う、江戸の家族の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
44
カバーイラストの二人は双子。後ろは兄で八丁堀の与力さま、主人公は弟で眼鏡の手習い所のお師匠さん草加冬吾。昔は双子が生まれることを忌み嫌う慣習があって、弟の冬吾は長い間外にも出してもらえず、来客の目にも触れないようにして育ってきた。父と母、兄がとても仲良くて、そこに祖母が絡んで深みが出ている。捕物部分よりも草加家の過去と今が興味深かった。KindleUnlimitedでよい作品に出会えました。2025/06/02
はつばあば
43
ハウスリップのお口直しに時代ものを。昔からいちゃもん付きの畜生腹っちゃ言葉は悪いですが双子の兄弟。1人は寺子屋のお師匠さん。もう1人は父親の後を継いで与力に。仲の良い兄弟を読ませてもらえてよかったです。ご両親が素晴らしい!。うちの姪っ子も双子。爺さんも双子。残念ながら娘は双子と間違えられるくらいよく似た年子。これシリーズの始まりでしょうね。楽しんで待ちたいと思うのですが、出たら教えて下さいね2024/09/29
むつこ
25
寺子屋を始めた主人公は双子の兄がいて世襲による「与力」をしている。あの時代、双子の存在は忌み嫌われているが家族内では良好だから素直な性格の主人公で読んでいて清々しい。続編、できるといいな。2024/09/29
ひさか
25
2024年4月角川文庫刊。書き下ろし。兄弟、秘された子、告白、秘密のわけ、明日の次、の4章構成。寺子屋の先生をしながら、兄の与力の仕事を手伝う弟が楽しく面白い。「身代わり」にふれる話が最後に出てきて、なるほどそういう意味だったのかと納得しました。次回が楽しみ。2024/07/31
宇宙猫
17
★★★ 寺子屋の師匠の冬呉は新米与力の弟で、殺しの探索を手伝うが、その過程で家族のわだかまりが少しずつほぐれていく。軽く読めて面白かった。2024/07/13
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