内容説明
おれには、はなから母親がいない、そう考えるのだ――
売り出し中の料理屋<元喜世>に突然現れた「平蔵の母」きえ。その真偽は、平蔵の真意は。
池波正太郎没後なお多くの支持を集める『鬼平犯科帳』。父で挿絵家・中一弥氏が「オール読物」で挿絵を描いていた縁と、長年の愛読者だった著者が、「鬼平」へのオマージュをこめて、切れ味鋭く長谷川平蔵を蘇らせたシリーズ最新の第4作。収録作品は表題作の他、「せせりの辨介」「旧恩」「陰徳」「深川油堀」「かわほりお仙」の全6作。
※この電子書籍は2020年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マーブル
12
非情さが垣間見られる「陰徳」という作品。池波平蔵の印象は清濁併せ呑む度量の広さがあるが、逢阪版の場合は内部の者達にも向ける厳格な視線を感じる。表には現れぬ事情を汲んで温情ある処分をするのか、犯罪者はもちろんそれを裁く側により厳しさを求めるのか。「非情」と「情」の狭間で揺れ動きながら、命令と私情の間で悩みながら展開するからこそ面白い。池波平蔵のシリーズ登場人物たちがそれぞれの個性を滲ませるのに比べて不利なのは否めないが、次第に同心たちや手先たちの個性も立体化し始め、この後のシリーズ継続も期待したくなる。 2025/07/29
アンベラー
7
やはりテレビシリーズの吉右衛門のイメージ 読みやすかった逢坂剛さんの作品というの忘れそうだった もっと読みたいですね2025/04/03
吉田正
2
息の長いシリーズになってほしいなあ。2024/04/17
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