内容説明
サルーム王国の第二王子アルベルト=ディ=サルーム。城内の執務室にいたアルベルトは、すさまじい魔力の奔流に巻き込まれ――弟である第七王子のロイドとともに、見知らぬ土地にいた。舗装された地面、高くそびえる建物、見知らぬ服装――戸惑うアルベルトだが、愛する弟に不自由をさせるわけにはいかない。なんとしても元の世界に戻らなければ、と決意しつつも、まずは衣食住を整えなければ……そう思っていたその時、「ねーねーおにーさん。こんな路地裏で何してんの?」声をかけてきた女性・有栖川棗から、なんやかんやと住まい、そしてアルバイト先まで紹介してもらったアルベルトは、ロイドとともに現代で生活を始め――!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真白優樹
9
執務中突然発生した魔力の奔流によりロイドと共に現代日本に転移してしまったアルベルトが、何だかんだ日本に馴染んでいく物語。―――のんびりほのぼの、この世界でも器用に。何故ロイドが主役ではないのかと一瞬思うも、国の顔を務めるアルベルトの器用さの方が向いていると示される物語であり、スピンオフとして本編と似た感じで楽しめる物語である。時にドタバタ、時にほのぼの。段々別れも辛くなりそうな気配がしてくる中、アルベルト達は果たして元の世界に無事帰還できるのだろうか。 次巻も出来れば読みたいものである。2024/04/07