内容説明
迷宮を中心に成り立つこの街の食事事情は貧相で、冒険者にとって食事は楽しむものではなかった。
現代日本からこの世界に流れ着き酒場の店主となったヨイシは、
せめて酒場に来た客にぐらいは旨い飯を食わせてやろうと、迷宮産の素材を調理した料理――『迷宮料理』を開発する。
石胡桃、骨魚、霞肉に紅蓮瓜……誰もが食べられないと思っていたそれらを、
現代知識を活用した製法で、絶品の料理にしてしまうヨイシの店は、連日連夜の大賑わい!
今日も可愛い看板娘と腹を空かせた冒険者をさばき、酒場の夜は更けていく。
――さて。そろそろ新しい料理を開発する頃合いだ。
「なあ、新しい迷宮料理を開発しようと思ってるんだけど。次はどんなのが良いかな?」
冒険者が持ち寄る素材を調理し、至高の料理を披露しよう。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたー
23
★★★★★面白かった。冒険者相手の酒場を経営する料理人の主人公は、美食に溢れる現代から転移してきたが故に、異世界の貧相な食事情に辟易していた。そんな彼が、とある駆け出し冒険者コンビの持ち込んだ、可食に耐えない迷宮産の食材を美味しく調理することに成功したことから、更なる迷宮産素材の料理を研究していく異世界グルメもの。終始一貫、主人公は料理人として、美味い飯を客に食わせるためだけに行動をしている点が気持ちが良かった。特別なチカラはこそ持たないものの(いや、料理のフレーバーテキストを読む限りありそうだが)、2024/02/19
和尚
22
現代日本から転移した主人公が、冒険者酒場に拾われ、食べられないとされていたダンジョン産の食材を試行錯誤の上で調理していく話。 面白かったです、戦闘とかはないものの、調理の試行錯誤にリアリティがあって、楽しく読めました。 ウカノは可愛いし他のキャラも料理をメインに良いキャラで好き。 食材名鑑も面白かった、フレーバーテキスト的に読むと疲労値回復効果とかあるのですが、ヨイシ特有なのかも気になるところ、次の巻、もし出るなら楽しみです!2024/02/24
しぇん
17
Kindle Unlimitedで。食文化ぎ貧弱な異世界に転移してしまったお話。割と地道に美味しくする方法を模索してるのは好感もてましたが、いつか食あたりとかで死んでしまうのでは?とかも思ったり。養女にしたウカノが可愛かったですがなんとなく示唆だけされてる正体は明かされるんですかね?2025/05/01
サキイカスルメ
14
食用とされていなかった迷宮のもので料理開発というのも面白いし、主人公の優しさからか物語自体がとても温かい雰囲気で良かった。料理人として真っすぐで優しい主人公よかったですね。彼と彼の周り含め、努力と工夫がちゃんと報われる世界なのが安心して読めました。看板娘な娘ちゃんが可愛かったです。彼女がお父さんって初めて呼ぶところでは、思わず涙してしまったほど…あれは反則よ。不器用すぎる片想い冒険者さんが気になります。2024/02/28
八岐
8
★★★☆ これも一つの地産地消? 流通乏しく食材も貧相な迷宮の街で料理屋を営むヨイシ。冒険者達に美味いものを食べさせてやりたいと願いながらも、できる工夫は尽きて頭を悩ませていた時に、ひょんな事から食べられたものではない迷宮産の材を扱うようになる。天才的なセンスはないけれど、執念で食べられる術を探求していく一人の料理人の心意気の物語。面白かった。2024/08/21