内容説明
個人化の時代における「結婚・未婚・離婚」は何を意味するか? 3組に1組が離婚し、60歳の3分の1がパートナーを持たず、男性の生涯未婚率が3割に届こうとする日本社会はどこへ向かうのか? 家族社会学の第一人者が、少子化難婚社会の課題に挑むリアルな提言書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
66
店頭で開いた本書の頁に、親の「我が子の幸せのために」の想いが成人したのちも子の独立を阻み、大量の「パラサイト・シングル」を生み、その数十年後、さらに大量の「生涯未婚者」を生んでいる現実に、そろそろ私たちは気づくべき…とあり、我が意を得たりの想いを抱く。20年前に『希望格差社会』で出会った著者との再三の邂逅に不思議な縁を思いつつ、読み進める。著者は、現代の結婚のリアル、離婚の増加の原因などにも触れながら、非正規雇用の増加や「個人化」の進捗など社会環境が激変する中で、一人社会の人々の結婚観、家庭観は旧態依然た2024/02/25
とよぽん
53
まず、書名を「パラサイト離婚社会」と思い込んでいた私。検索していて「難婚」に気付いた次第で!それほど、離婚が近年ではよくあることという我が認識か。著者とほぼ同年代の私には「パラサイトシングル」を書いた著者自身が、今や隔世の感をもって本書を著しただろうと思いつつ読ませてもらった。経済と無関係ではいられない日本の「結婚」制度と意識についても述べられている。家と家の結婚が個人と個人のものに移行してきたことが、未婚・非婚の増加につながり、国家の危機「少子化」を招いている。解決策は・・・。2024/05/25
kum
20
日本の家族の在り方を長い間見続けてきた著者が分析する「結婚」のリアル。最初から最後まで頷きが止まらない内容だった。結婚=イエに入るという時代から、現在は選択が個人に委ねられた「個人化」の時代へ。選択肢も増えた。なのに社会制度の整備は遅れている上、世間体も含め日本独自の価値観が個人の選択を妨げているという現実もある。結婚や離婚についての欧米との違いも興味深い。時代は代わり、皆婚世代の願いは子ども世代には通じなくなった。個人的には今の方が本来の在り方だと思うが、社会としてはそればかりでもないのが悩ましい。2025/04/29
乱読家 護る会支持!
7
そもそも結婚は、家や家族を守るためのもの。しかし、明治維新で西欧の価値観を取り入れた日本は、恋愛に価値を見出し、結婚に幻想を抱くようになった。 そして、個々人が自由に生きる、我欲を満たすことを第一に考えるのが「当たり前」となった現代社会。時に自分よりも家族を優先して行かざるを得ない結婚生活は、我欲第一優先の現代日本には、所詮無理なこと。 一つ前に読んだ「世界の賢人と語る「資本主義の先」」での結論と同じなのですが、 他者のために生きる。この日本的な価値観をしっかりと持たないと、社会も家庭も崩壊し続けます。2024/07/30
Humbaba
6
離婚という事実は一つであっても、それをどうとらえるのかというのは時代によって変わってきている。かつては離婚は最終手段であり、相手に誰もが認めるような責任があるときにしか行えないものであった。しかし、現在ではそこまで厳しい条件を満たさなくても、幸せになるための方法として離婚が選択肢に上がるようになってきた。それがよいか悪いかは別として、時代は変わり、幸福についての考え方も変わってきているということは認識しておく必要がある。2024/09/17
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