内容説明
閻魔王を頂点に、地獄の判官である十王たちが支配する冥途十州。角や霊力を持たず、脆弱ゆえに差別されるツノナシながら、壊れたものを元に戻す不思議な力――廻帰の力を持つ翠は、ひょんなことから冥官の天鴦に出会う。消息不明の弟・瑞月を捜すべく、天鴦にもらった『閻魔庁入庁許可証』を手に冥都へ向かうと、それはなんと閻魔王の花嫁候補に渡される特別な札で?! そんな中、冥府を害する目的の爆破事件に巻き込まれた翠は、隠し続けてきた廻帰の力を使って危機を救うが、その力を巡って不穏な動きが…。そして、翠は冥官勤めをしている瑞月と再会を果たすが、その様子がどこかおかしく…。
目次
序章
第一章 玲仙宮の茶話会
第二章 盾の羽衣
第三章 刀葉林の謎
第四章 五道転輪王・聚楽
終章
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
27
閻魔王・天鴦の花嫁候補という名目で王宮の下女として働くことになった翠。別人に成り代わって冥官勤めをしている瑞月と再会を果たす第二弾。亡くなった鬼族の息子に成り代わって冥官として働く一方で、日夜暗躍していた消息不明の弟・瑞月。あくまで彼のことを信じる翠に対して、密かに天鴦のもとに忍び込んで彼を試し、結家の真相や翠に対する想いを託す展開で、そこから五道転輪州で瑞月が勾留されたと知り、冤罪を晴らすために奔走する翠と瑞月の覚悟に、お互いを思う姉弟の絆を改めて感じる一方で、改めて前途多難を予感させる結末でしたね…。2024/01/18
栗山いなり
6
差別される身でありながら特殊な力を持つ翠の奮闘を描いた変則的なファンタジー小説。翠の目的は達成されたとはいえその先に待っていたのは悲しき運命だった…。どうとでも出来そうな終わり方だったけどどうなるんだろ?2024/02/04
色素薄い系
5
前回結局行方不明のままだった弟との再会。でもそれがなかなか辛い展開に。全て姉の為にやっていた事だというのがまた悲しい。だがしかし暗躍している派閥はまだそのままだし色々解決していないので続きが気になります。そして、天鴦は翠を翻弄しようとしてて基本的に余裕がある感じなのにその後の膝枕云々で天然カウンターに撃沈してて可愛い所もあるじゃないか、と思いました。この2人の関係もどう決着するのかもとても気になります。2024/03/25
bookshelf_yt07
3
冥界で異能を持たないツノナシながら、回帰の術を持つ翠は、閻魔王との出会いから王宮の花嫁候補である下女として働く。それは行方不明の弟、瑞月を探すため。しかし瑞月の行方を探ると翠の周りに不穏な動きがあり、、、2024/08/05
さなだ
1
図書館2024/02/29