内容説明
ピュリッツァー賞受賞の医師による『がん』『遺伝子』に続く圧巻の科学ドラマ。顕微鏡による発見の数々から、感染症やがんとの苦闘、脳の仕組みの解明、最新の遺伝子治療まで、「細胞」からヒトそして生命の本質に迫ろうとしてきた人類の歩みを鮮やかに描くノンフィクション。《ニューヨーク・タイムズ》ベストセラー、《エコノミスト》《ガーディアン》年間ベストブック。解説/仲野徹
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
40
解説で仲野徹も指摘しているように、「がん」や「遺伝子」と比べると「細胞」というテーマは、あまりにも多岐に渡り過ぎていて散漫になってしまうのではないかとの懸念を、本書は一蹴している。章ごとに魅力的な人物を配置し、比喩表現を巧みに織り込み、ユーモアたっぷりに紹介していくムカジーの手腕は只事ではない。しかも、多岐に渡るとイメージする「細胞」がこちらの想像以上に多岐に渡っていることを知らしめるのだから、さらに驚かされる。(つづく)2024/04/04
わたなべよしお
21
生命(人間)の基本単位は細胞であり、遺伝子というより遺伝子をも含んだ細胞全体とその相互作用の理解が必要だ。つまり病気の治療とは細胞の治療なのだ、という主張はよく理解できる。また、ニューヒューマンという言葉を限定的に使おうとしているが、どうだろう?本人も書いている通り、治療と人間拡張の線引きは難しい面がある。この辺については、本書では突っ込んだ議論をしていない。まぁ、今回も読む価値のある本でした。2024/02/22
おだまん
9
個々の細胞から組織の挙動としてのまとまり、生命体の維持へ、そしてがん細胞へ、医療の本質に迫るグランドフィナーレ。技術の革新と倫理的な問題は「遺伝子」「がん」の著書にも繋がる問題提起なのだなと。2024/03/23
takao
5
ふむ2024/02/21
なおぞう
4
むず細胞度:★★★☆「細胞」の下巻。この作品は文章は難しくないですが、内容が難しい。つくづく勉強不足だなあと思います。ある程度は理解できるんだけど、難しくなるとやや飛ばし気味。コロナ禍の話はもうこりごりと思っていたけど、コロナ禍の話が逆にホッとしてしまいました。広く浅く勉強してきたので、未熟者だなあと実感してしまいます。この作品の他に遺伝子の話も書かれているらしいですが、読むか読まないか迷うところ。2024/03/27