ハヤカワ文庫NF<br> オッペンハイマー 中 原爆

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ハヤカワ文庫NF
オッペンハイマー 中 原爆

  • ISBN:9784150506063

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内容説明

クリストファー・ノーラン監督最新作映画『オッペンハイマー(Oppenheimer)』原案
「オッペンハイマーという誰よりもドラマティックな人生を歩んだ男の脳内に入り、彼の物語を描くことによって、観客のみなさんに彼の人生を追体験してもらいたかった」
――クリストファー・ノーラン

2006年ピュリッツァー賞受賞作

「原爆の父」と呼ばれた一人の天才物理学者J・ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問う。全米で絶賛された傑作評伝が、待望の文庫化。
マンハッタン計画を主導、爆破実験の場(トリニティ)に参加し、広島、長崎に投下された二発の原爆を作り出した壮年時代(中巻「原爆」)。
25年にわたり膨大な数の関係者や家族の証言や史料を丹念に取材し、人類に「原子力」という新しい火をもたらした天才科学者の実像をあぶり出す傑作評伝。
解説/高橋昌一郎(中巻)

※本書は2007年8月にPHP研究所より刊行された単行本『オッペンハイマー 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』に新たな監訳・解説を付して改題・文庫化したものです。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

100
ロスアラモスでの核開発が進む中、欧州戦線の終結が見えてきて、研究所内では核の日本投下への疑義が唱えられる。元々、ヒトラーに先んじて所有することが原動力で、学者らはその意義を失っていた。しかしオッペンハイマーは将来の戦争抑止を念頭に軍に異論を挟まず方針に従う。彼は戦況を知らなかったが、その事実は変わらない。核投下前の様々な人達の議論や日記から当時の米国の思惑が読み取れる。また投下後の所内の高揚から恐怖、その複雑な空気感が伝わってきた。戦後、核管理の案が理想通りにならない中、彼の周囲に危うさが近づく。次巻へ。2024/04/20

こなな

60
『原爆の開発を指揮した理論物理学者、ロバート・オッペンハイマーが、終戦の19年後に被爆者とアメリカで面会し、この際、「涙を流して謝った」と、立ち会った通訳が証言している映像が広島市で見つかりました。』とのニュースをNHKで、6/20ちょうどやっていた。中巻は、黙っていても自然に注目と尊敬を得るというオッペンハイマーがリーダーだったロスアラモスの研究所でのことが書かれている。マンハッタン計画で知られる研究所である。原子爆弾の倫理性と政治性が議論され政治的な提案を持って戦争が終わる可能性もあったとあるが… 2024/06/23

harass

58
最大の敵ナチスは降伏。戦後の米国の最大の敵になるソ連との会談、ポツダム宣言に間に合わせるために、原爆実験は行われ成功する。圧倒的な破壊力の新兵器の実戦に、すでに戦局は決していた日本が選ばれる。最も効果的な投下方法を指導するオッペンハイマー。科学者たちが生み出した原爆は、政治家たちの道具になってしまう。オッペンハイマーは戦後反核活動に携わるのだが… 映画の疑問点を知りたいがために読み出した全3巻であるが、読書の醍醐味を感じさせてくれる。下巻に。2024/05/18

彼岸花

38
オッペンハイマーは相変わらず、FBIの執拗な監視を受ける。よく耐え抜いたなと思う。実験が成功し、ついに原爆が無警告で日本に落とされた。敗戦寸前の状態でありながら、このような結果を招いたことは二度とあってほしくない。ほとんどのアメリカ人は被爆の悲惨さを知らず、歓喜していた。戦勝国との明暗がはっきり分かれる。とても苛立たしいが、戦争は互いに不幸を呼ぶだけだ。彼が『原爆の父』として悔恨の念にかられた様子はいたわしい。優秀な科学者らが政治のために利用された悲劇なのだ。核廃絶は、現代も重く困難な課題である。2024/09/24

塩崎ツトム

34
JCOの事故やデーモン・コアを見ればわかるが、原子力には「臨界」といって、様々な過失により原子核の「タガ」が外れて、一気呵成にポテンシャル障壁を越えて、もはや過去の均衡には戻れなくなるが、トリニティ実験後に、もはや使うべき相手だったドイツが敗北したあとの様々な政治的な判断(というには不条理が過ぎるが)によって広島・長崎への投下がなあなあに決まっていき、さらにはオッペンハイマーとトルーマンの決裂、フーバーの政治的野心によってもはや「核兵器なき世界」がご破算していくさまは、なんとも怖気がする。2024/03/07

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