新訳 平和の経済的帰結

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新訳 平和の経済的帰結

  • ISBN:9784492315576

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内容説明

今こそ読みたい、平和のための経済論

「過剰な制裁が、新たな戦争を生み出す」
100年前、憎悪へ突き進む世界に警鐘を鳴らした
20世紀最高の経済学者・ケインズの傑作が復活!


山形浩生氏「ずいぶんきな臭い時代になってきた現在、本書をきっかけに少しでも戦争/平和と経済についてまじめに考えてくださる方が増えてくれることを祈りたい」ーー「訳者解説」より

〈本書の背景〉
1919年、経済学者にして官僚でもあるジョン・メイナード・ケインズは、
第一次世界大戦後のパリ講和会議にイギリス代表団の一員として参加した。

しかし、ドイツへの過剰な制裁を課す議論の方向性とヴェルサイユ条約の、
あまりのひどさに絶望し、辞表をたたきつけて、即座に本書を書き上げた。

〈なぜ今、読むべきなのか〉
世界的なベストセラーとなり、ケインズの名を一躍押し上げた本作は、
「ナチスの台頭」「第二次世界大戦開戦」を予言した書としても知られる。

戦後処理と世界経済の枠組み構築を考える際のバイブルとも言える本書は、
戦争の時代に足を踏み入れている現代においても、主張が色あせない一冊である。

【主な内容】
序文
第1章 序論
第2章 戦争前のヨーロッパ
第3章 会議
第4章 条約
第5章 賠償
第6章 条約後のヨーロッパ
第7章 修正案
訳者解説

目次

序文
第1章 序論
第2章 戦争前のヨーロッパ
Ⅰ 人口
Ⅱ 社会的まとまり
Ⅲ 社会心理
Ⅳ 旧世界と新世界の関係
第3章 会議
第4章 条約
Ⅰ 海外商業
Ⅱ 石炭と鉄鉱
Ⅲ 輸送と関税制度
第5章 賠償
Ⅰ 和平交渉に先立つ約束
Ⅱ 会議と条約の条件
Ⅲ ドイツの支払能力
Ⅳ 賠償委員会
Ⅴ ドイツの逆提案
第6章 条約後のヨーロッパ
第7章 修正案
Ⅰ 条約の改訂
Ⅱ 連合国側内部の負債整理
Ⅲ 国際融資
Ⅳ 中央ヨーロッパの対ロシア関係
訳者解説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

逆丸カツハ

18
ロシアがウクライナに攻め込んだとき、真っ先に思いついたのが、ケインズのこの本だったが当時とは状況がかなり違ったようだ。過剰な制裁は避けるべきだとは思うものの、生半可なかじった知識でものを考えるのは良くない。これはいけなかった。浅はかに反応してしまった自分の無知を知れた素晴らしい読書だった。2024/01/21

Francis

15
経済学書をやたら改訳している山形浩生先生によるケインズの名著の翻訳。有名な本なのでおおよその内容は知っていたが、読むのは初めて。経済学者らしく第一次世界大戦で戦勝国がドイツにどれだけ過酷な賠償を課したか、そしてそれがドイツの復興にどれだけ負の影響を与えると予測されるか、詳しく分析されている。さすがケインズ先生。トマ・ピケティも「資本とイデオロギー」で戦勝国がドイツに貸した賠償は欧米諸国が植民地を収奪したのと同じ構図であると書いている。だからこちらも訳したのかな?(山形先生はピケティの本の訳者です。)2024/02/24

ほなみ

2
タイトルに惹かれたことと、第一次世界大戦前後についてもう少し詳しく知りたいなと思い買ったが、想像以上に良かった。 正直詳しい金額とかはどうでもいいのだが、グローバル経済である当時にドイツに支払い能力がないと、他の国も苦労する。賠償金に追われるドイツでは革命が起こるかもしれない。アメリカに頼りすぎてて危険みたいな話は史実すぎると驚き。 ケインズの提案である賠償金減額、連合国内での債務の放棄は第二次世界大戦の戦後整理にも活かされ、世界の発展に寄与した素晴らしい本だと思う2024/04/05

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