内容説明
太平洋戦争後、日本に帰還したグンゾーの仲間達は散り散りになるが、それぞれの究極を目指して餃子屋を開く。町中華の来香園、チェーン展開のミロク亭とシベリア食堂。戦後復興のさなか、三つ巴の熱き餃子戦争が始まる。消息不明のグンゾーが「究極の餃子」について綴った手帳はどこへ消えたのか。そして、全ての鍵を握るのはグンゾーの息子・タミオと冷凍餃子……。エキサイティングなグルメ冒険小説、感動のフィナーレ!(文庫化にともない『焼餃子』を改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
22
熱血餃子大河小説の下巻。戦後から高度経済成長期、そして現代に至るまでの長くて短い究極の餃子探求の旅はグンゾーから息子のタミオに受け継がれます。そう、上巻で主人公だったグンゾーは下巻ではほぼ登場しません。扱っているテーマや登場人物たちのキャラの濃さから、上巻のレビューでトンデモ小説と書いてしまいましたが、特に下巻は会社創業から拡大、繁栄そして没落を描く様は、経済小説というかお仕事小説の色合いが強くなってきます。これはぜひNHKの土曜ドラマ枠あたりで映像化してほしい。今夜はやっぱり冷え冷えのビールと餃子かな?2024/03/30
anxiety
5
咀嚼した餃子を口の中にディープキスで押し込んでくる餃子の女神(笑)の祝福を受けた登場人物たちが、エヴァンゲリストと化して餃子の普及に奔走するお話。変な神様を描かせたら今ちょっとこの人の右に出る人はいない。満州から現代に掛けての大河小説でもあり、結構重い描写もあるんだけど、テーマが絶妙にくだらないからそんな場面でもトホホと脱力してしまう。これNHKの朝の連ドラとかでやってくれないかなぁ(笑)。おすすめ。 2024/02/14
KG
5
上巻とは打って変わって、軍蔵に究極の餃子の探究を託された人たちの物語。時代は戦後。ミロク亭のやり方にはいろいろ問題はあったけど、食べるとガツンとくるであろう味付けに人気が出るのはわかる。メニューが固定されているのも、迷わなくていいシンプルさがある。こういう形態のお店が今あっても面白そう。ミロク亭にせよシベリア食堂にせよ、事業を大きくするということは、関わる人が増えてくるわけだから、創業者たちは仕事の種類を変えていかざるをえないのだなとしみじみ。大企業の創業者の苦労を想像した。下巻は焼き餃子一本。腹がへる。2024/02/04
taro
3
究極の餃子を軸に、太平洋戦から終戦そして現在にいたる時間を超え、本来出会うことのなかったかもしれない人たちが巡り合う、まさにジャンボリーな傑作。文庫本に際して「焼餃子」から、分け隔てなく人々が集う楽しいイベントという意味らしいジャンボリーを使い「皿の上のジャンボリー」と改題したのもうなづけます。自分の中では、料理小説というより人情味あふれる大河小説の位置づけです。夜遅い時間にNHKでドラマ化してほしい。2024/02/28
Hanna
1
時代は近代から現代へ、主人公は息子へ。私にはちょっと合わないかな。そのうち国語の文章問題で扱われていたりして。2024/04/08