内容説明
1944年、東條首相暗殺の極秘任務に失敗した陸軍中尉のグンゾー。朝鮮半島にひん死の状態で流されたが、焼餃子を食べて生き長らえた。未体験の幸福感と美味……この究極の食べ物を世界に広めるのが新たな使命だと気づいたグンゾーは、旅に出る。朝鮮のマンドゥ、満州の蒸し餃子、モンゴルのボーズなど様々な餃子に出会い、いつしか仲間も増えて「究極の餃子」とはなんなのかが見えてくる。食欲そそる熱々のグルメ冒険小説!(文庫化にともない『焼餃子』を改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
22
第二次世界大戦末期、東條英機首相の暗殺に失敗した陸軍中尉が、偶然食べた餃子に魅了され、究極の餃子を見つける旅に出るというトンデモ小説!舞台は韓国、中国、モンゴル。各地を旅しながら、様々な出会いと別れがあり、餃子に似た食べ物を食べ、作り方を研究し…。とにかく餃子愛が半端じゃない。もう読んでるだけで口の中に唾が溢れてきて….。上巻は終戦までが描かれるので、今後アジア各地を旅した主人公のグンゾーは日本に帰ってどう餃子を広めていくのかが気になるところ。上巻の最後で大変な事態が!とりあえず下巻読了まで餃子はお預け!2024/03/29
KG
4
表紙のイラストに引き寄せられた。時代は終戦間際。究極の餃子を求めて大陸の餃子的なものを追う物語。表紙のイラストもそうだけど、作中に登場する餃子的なものが食欲をそそる。蒸し餃子や水餃子などの知っているメニューだけでなく、知らない食べ物も登場する。登場人物たちが旨そうに食べている描写を読むと、記憶の中の一番好きな味が再生されて、餃子を食べたくなってくる。一つの餃子的なものから次の餃子的なものへの繋ぎは、主人公である軍蔵を軸にした波乱の展開ではあるのだが、もはや新たな餃子的なものに出会うための繋ぎでしかない。2024/02/02
Hat
0
究極の餃子を求めて旅する話なのですが、舞台が、終戦直前の中国というところに捻りがあるなと思いました。好きなものどころか食事もままならず、食材も無い、こんな状況で、しかも任務放棄で餃子探しに出るってすごい。食に対する描写が丁寧で、餃子の教科書と評されるのも納得です。これ読んで、餃子食べたくならない人はいない!2024/03/10
なおき
0
東條首相の暗殺に失敗した男が流れ着いた先で食べた餃子の味に感動し、究極の餃子を目指すと言う荒唐無稽なストーリー。上巻は、その究極の餃子を求めて大陸を彷徨う冒険活劇が描かれます。 2024/02/13